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【令和4年度改定対応】訪問看護情報提供療養費とは(医療保険)

訪問看護情報提供療養費とは、訪問看護ステーションが利用者の居住地を担当する市町村、教育機関、保険医療機関等に対して、利用者に必要な保健福祉サービスに関する情報を提供した場合に支給される療養費です。

この制度の目的は、訪問看護ステーションと市町村の保健福祉サービスとの密な連携を促進し、在宅療養をサポートすることにあります。

訪問看護ステーションが利用者の健康状態や必要なサービスについて市町村に情報提供することで、より適切な支援が行われ、利用者の健康管理が向上します。

今回は、「訪問看護情報提供療養費」について種別ごとの算定要件や注意ポイント、さらに令和4年度診療報酬改定の変更点等についてお伝えします。

訪問看護情報提供療養費とは

訪問看護情報提供療養費とは

訪問看護情報提供療養費とは、訪問看護ステーションが市町村(自治体)や義務教育諸学校、保険医療機関などに対して、訪問看護に関する情報を提供した場合に算定できる療養費です。

利用者1人につき月1回算定することが出来きます。

算定に当たっては、利用者や家族の同意が必要となります。同意は口頭でもよいですが、同意を得たことを記録に残すことをおすすめします。

訪問看護情報提供療養費は1~3の3種類あり、情報提供先や対象者により算定する種別が異なります。

訪問看護情報提供療養費の情報提供先

訪問看護情報提供療養費1:市町村や都道府県

訪問看護情報提供療養費2:学校等

訪問看護情報提供療養費3:医療機関

※令和4年度診療報酬改定では、1と2の対象者の範囲および情報提供先の見直しがおこなわれました。

情報の提供には「情報提供書」を用いますが、訪問看護情報提供療養費の種別ごとに様式が異なるため注意が必要です。

訪問看護情報提供療養費の様式および算定金額は、以下になります。

訪問看護情報提供療養費の様式と算定金額

種別 算定金額 様式
訪問看護情報提供療養費 1 1,500円/月 別紙様式1または2
訪問看護情報提供療養費 2 1,500円/月 別紙様式3
訪問看護情報提供療養費 3 1,500円/月 別紙様式4

算定要件を満たしていれば、1人の利用者に対して同じ月に訪問看護情報提供療養費1、2、3を算定することが可能です。

また、訪問看護情報提供療養費を算定した場合、その情報提供先と情報提供日を主治医に提出する訪問看護報告書に記入します。必要に応じて、情報提供内容についても報告します。

それでは、訪問看護情報提供療養費の3つの種別ごとに詳しくみていきたいと思います。

訪問看護情報提供療養費1とは

訪問看護情報提供療養費1とは

訪問看護情報提供療養費1は、訪問看護ステーションと市町村・都道府県が提供する保健福祉サービスと連携を強化し、利用者の総合的な在宅療養を促進することを目的としています。

令和4年度の診療報酬改定により、情報提供先に「指定特定相談支援事業者」および「指定障害児相談支援事業者」が追加され、対象者の範囲が15歳未満の小児から18歳未満の児童に拡大しました。

市町村や指定特定相談支援事業者からの要請に応じ、訪問看護の状況を示す文書を添付して、利用者に対して健康教育、健康相談、機能訓練、訪問指導などの保健サービスやホームヘルプサービス(入浴、洗濯などのサービスも含む)などを提供するために必要な情報を提供した場合に、1人につき月1回に限り療養費が算定されます。

訪問看護情報提供療養費1の算定対象者

①厚生労働大臣が定める疾病等の者 ※1

② 特別管理加算の対象者 ※2

③精神障害を有する者またはその家族等

④18歳未満の児童(令和4年度改定より, 15歳未満より年齢が引き上げられました)

算定対象者 詳細
※1
特掲診察料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者
・末期の悪性腫瘍
・多発性硬化症
・重症筋無力症
・スモン
・筋萎縮性側索硬化症
・脊髄小脳変性症
・ハンチントン病
・進行性筋ジストロフィー症
・パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る))
・多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレ―ガー症候群)
・プリオン病
・亜急性硬化性全脳炎
・ライソゾーム病
・副腎白質ジストロフィー
・脊髄性筋萎縮症
・球脊髄性筋萎縮症
・慢性炎症性脱髄性多発神経炎
・後天性免疫不全症候群
・頚髄損傷
・人工呼吸器を使用している状態
※2
特掲診察料の施設基準等別表第八に掲げる者
・在宅悪性腫瘍等患者指導管理
・在宅気管切開患者指導管理
・気管カニューレの使用
・留置カテーテルの使用
・在宅自己腹膜灌流指導管理
・在宅血液透析指導管理
・在宅酸素療法指導管理
・在宅中心静脈栄養法指導管理
・在宅成分栄養経管栄養法指導管理
・在宅自己導尿指導管理
・在宅人口呼吸指導管理
・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
・在宅自己疼痛管理指導管理
・在宅肺高血圧症患者指導管理
・人工肛門、人口膀胱の設置
・真皮を越える褥瘡
・在宅患者訪問点滴注射管理指導料の算定
精神障害を有する者又はその家族等
十五歳未満の小児

訪問看護を行った日から2週間以内に、別紙様式1または2の文書に内容を記載して、市町村等または指定特定相談支援事業者等に情報を提供します。

市町村等または指定特定相談支援事業者等の情報提供の依頼者および依頼日については、訪問看護記録書に詳細に記載し、提供した文書の写しについては、それを訪問看護記録書に添付し保管しておきます。

訪問看護情報提供療養費1の算定時の留意点

算定時には、以下のことに留意する必要があります。

(1)市町村が指定訪問看護事業者の場合、その市町村に住む利用者には算定できません。同様に、訪問看護ステーションと特別な関係にある指定特定相談支援事業者に情報提供を行った場合も算定できません。


(2)1人の利用者につき、1つの訪問看護ステーションでのみ算定が可能です。


(3)同じ月に介護保険の訪問看護を受けている場合、算定はできません。

訪問看護情報提供療養費2とは

訪問看護情報提供療養費2とは

訪問看護情報提供療養費2は、学校生活を安心して安全に送ることができるよう訪問看護ステーションと学校等の連携を推進することを目的としています。

※訪問看護ステーションと学校等の連携についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

「医療的ケア児」を取り巻く環境の変化と訪問看護に求められる役割とは

令和4年度の診療報酬改定により、情報提供先に高等学校等(大学除く)が追加され、対象年齢が15歳未満から18歳未満に拡大しました。また当該利用者に対する医療的ケアの実施方法等を変更した月においても算定可能と変更されました。

訪問看護情報提供療養費2の情報提供先

・保育所等※
・幼稚園
・小学校
・中学校
・義務教育学校
・高等学校
・中等教育学校
・特別支援学校
・高等専門学校
・専修学校

※「保育所等」には、児童福祉法で規定された保育所、家庭的保育事業を行う者、小規模保育事業を行う者、および事業所内で保育を行う者、そして就学前の子供に関する教育や保育など、総合的な支援を推進する法律で規定された認定こども園が含まれます。

訪問看護情報提供療養費2の算定対象者

①18歳未満の超重症児・準超重症児

②18歳未満の児童であって厚生労働大臣が定める疾病等の者※1

③ 18歳未満の児童であって特別管理加算の対象者※2

算定対象者 詳細
十五歳未満の超重症児又は準超重症児
※1
十五歳未満の小児であって、特掲診察料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者
・末期の悪性腫瘍
・多発性硬化症
・重症筋無力症
・スモン
・筋萎縮性側索硬化症
・脊髄小脳変性症
・ハンチントン病
・進行性筋ジストロフィー症
・パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る))
・多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレ―ガー症候群)
・プリオン病
・亜急性硬化性全脳炎
・ライソゾーム病
・副腎白質ジストロフィー
・脊髄性筋萎縮症
・球脊髄性筋萎縮症
・慢性炎症性脱髄性多発神経炎
・後天性免疫不全症候群
・頚髄損傷
・人工呼吸器を使用している状態
※2
十五歳未満の小児であって、特掲診察料の施設基準等別表第八に掲げる者
・在宅悪性腫瘍等患者指導管理
・在宅気管切開患者指導管理
・気管カニューレの使用
・留置カテーテルの使用
・在宅自己腹膜灌流指導管理
・在宅血液透析指導管理
・在宅酸素療法指導管理
・在宅中心静脈栄養法指導管理
・在宅成分栄養経管栄養法指導管理
・在宅自己導尿指導管理
・在宅人口呼吸指導管理
・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
・在宅自己疼痛管理指導管理
・在宅肺高血圧症患者指導管理
・人工肛門、人口膀胱の設置
・真皮を越える褥瘡
・在宅患者訪問点滴注射管理指導料の算定

上記の利用者について、訪問看護ステーションが利用者と家族の同意を得て、学校からの要請に応じて、医療的なケアの実施方法などを示す文書を提出し、必要な情報を提供した場合に、1人につき年に1回だけ算定します。

また、入園・入学や転園・転学などにより、初めて学校に在籍する月については、その学校について月に1回だけ別に算定できます。

令和4年度の改定により、医療的なケアの実施方法が変更された月についても、1回だけ算定できるようになりました。

訪問看護を行った日から2週間以内に、別紙様式3の文書を使って、その学校に対して情報提供します。

学校の情報提供の依頼者と依頼日については、訪問看護記録書に詳しく記載し、提供した文書の写しについては、それを訪問看護記録書に添付し保管しておきます。

訪問看護情報提供療養費2の算定時の留意点

算定時には、以下のことに留意する必要があります。

(1)当該情報を提供する訪問看護ステーションの開設主体が、利用者が在籍する学校の開設主体と同じ場合は、算定できません。


(2)1人の利用者に対して、1つの訪問看護ステーションでのみ算定できます。


(3)文書を提供する前の6ヵ月の期間(文書提供の日が含まれない月から6ヵ月前まで)において、定期的に利用者に訪問看護を行っている訪問看護ステーションが算定できます(例: 4月15日に提供された場合は前年10月から訪問看護を開始)。


(4)当該情報提供は、利用者の医療的ケアの実施に関わる看護職員と連携するためになります。


(5)18歳の誕生日を迎えた利用者について、医療的ケアの変更などで学校からの要請がある場合、当該利用者が18歳になる日から最初の3月31日まで算定可能です。

訪問看護情報提供療養費3とは

訪問看護情報提供療養費3とは

訪問看護情報提供療養費3は、利用者が保険医療機関、介護老人保健施設、介護医療院に入院または入所し、在宅から保険医療機関等へ療養の場所を変更する場合に、訪問看護ステーションと保険医療機関等の実施する看護の有機的な連携を強化し、利用者が安心して療養生活を送ることができるよう、切れ目のない支援と継続した看護の実施を推進することを目的としています。

訪問看護情報提供療養費3の算定対象者

介護老人保健施設、介護医療院等、医療機関等に入院または入所し、在宅から医療機関等へ療養の場所を変更する利用者

訪問看護情報提供療養費3の算定要件

・訪問看護の情報提供書を主治医に提供すること


・当該文書の写しを求めに応じて、入院または入所先の医療機関等と共有すること


・主治医に提供した文書については、その写しを訪問看護記録書に添付し、保管すること


・利用者およびその家族等からの同意を得ていること

訪問看護情報提供療養費3の算定時の留意点

算定時には、以下のことに留意する必要があります。

(1)利用者が入院または入所する医療機関が、訪問看護ステーションと特別の関係にある場合、または主治医の所属する医療機関と同一の場合は算定できません(ただし、主治医の所属する医療機関と訪問看護ステーションが特別の関係にある場合には算定可能です)。


(2)1人の利用者に対して、1つの訪問看護ステーションにおいてのみ算定できます。

まとめ

今回は、「訪問看護情報提供療養費」について種別ごとの算定要件や注意ポイント、さらに令和4年度診療報酬改定の変更点等についてお伝えしました。

本記事が訪問看護事業に従事される方や、これから訪問看護事業への参入を検討される方の参考になれば幸いです。

※本記事は、作成時の最新の資料や情報をもとに作成されています。詳細な解釈や申請については、必要に応じて最新情報を確認し、自治体等にお問い合わせください。

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訪問看護は未経験であり自己資金もゼロでしたが、ある経営者さんとの出会いにより新規立ち上げの訪問看護ステーションで将来の独立を前提に管理者として働くことが決定しました。 現在年収600万円を得ながら経営ノウハウを習得し、3年後の独立、理想の訪問看護ステーション作りに邁進されています。

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