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【令和6年度報酬改定対応】訪問看護のサービス提供体制強化加算(Ⅰ・Ⅱ)とは(介護保険)

訪問看護におけるサービス提供体制強化加算(介護保険)とは、看護師等の有資格者の割合や勤続年数から、質の高いサービスを提供する体制にある事業所を評価する加算です。

今回は、訪問看護におけるサービス提供体制強化加算について算定要件や留意ポイント、算定の基準(割合の算出)などについてお伝えします。

訪問看護のサービス提供体制強化加算とは

訪問看護のサービス提供体制強化加算とは

訪問看護のサービス提供体制強化加算は、介護従事者の専門性等に係る適切な評価・キャリアアップを推進する体制および職員の早期離職を防止する体制を評価した加算です。

令和3年度の改定により、勤続年数要件は従来の3年と7年の2区分に変更されました。

サービス提供体制強化加算(Ⅰ)

勤続7年以上の職員が30%以上


サービス提供体制強化加算(Ⅱ)

勤続3年以上の職員が30%以上

サービス提供体制強化加算(Ⅰ・Ⅱ)の単位数

提供内容 (Ⅰ)の単位数 (Ⅱ)の単位数
通常の訪問看護 6単位/回 3単位/回
定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所との連携 50単位/月 25単位/月

※介護予防(要支援者)の場合は、(Ⅰ)が6単位/回、(Ⅱ)が3単位/回になります。

なお、令和6年度の介護報酬改定では、訪問看護のサービス提供体制強化加算の単位数や算定要件に変更はありませんでした。

サービス提供体制強化加算(Ⅰ・Ⅱ)の算定要件

サービス提供体制強化加算の算定要件は以下になります。

サービス提供体制強化加算(Ⅰ)の算定要件

(1)一定の勤続年数

看護師等の総数のうち、勤続年数7年以上の者の占める割合が30%以上であること。

(2)研修計画に基づく研修の開催

すべての看護師等 (保健師,看護師,准看護師,理学療法士、作
業療法士、言語聴覚士) に対し、看護師等ごとに研修計画を作成し、計画に従って研修 (外部における研修も含む)を実施または予定していること。

(3)利用者の留意事項の伝達・技術指導を目的とした会議の開催

利用者に関する情報もしくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達または当該訪問看護事業所における看護師等の技術指導を目的とした会議を定期的に (概ね1月1回以上) 開催すること。

※令和3年度の改定によりテレビ電話装置等を活用して行うことも可能になりました。

(4)定期的な健康診断

すべての看護師等に対し、健康診断等を定期的に実施すること。

サービス提供体制強化加算(Ⅱ)の算定要件

(1)一定の勤続年数

看護師等の総数のうち、勤続年数3年以上の者の占める割合が30%以上であること。

(2)研修計画に基づく研修の開催

すべての看護師等 (保健師,看護師,准看護師,理学療法士、作
業療法士、言語聴覚士) に対し、看護師等ごとに研修計画を作成し、計画に従って研修 (外部における研修も含む)を実施または予定していること。

(3)利用者の留意事項の伝達・技術指導を目的とした会議の開催

利用者に関する情報もしくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達または当該訪問看護事業所における看護師等の技術指導を目的とした会議を定期的に (概ね1月1回以上) 開催すること。

※令和3年度の改定によりテレビ電話装置等を活用して行うことも可能になりました。

(4)定期的な健康診断

すべての看護師等に対し、健康診断等を定期的に実施すること。

サービス提供体制強化加算における「勤続年数」とは

サービス提供体制強化加算における「勤続年数」とは

「勤続年数」とは、訪問看護師としての経験年数ではなく、現在勤務している訪問看護ステーションや同一法人が経営する他の介護サービス事業所や病院などで、利用者に直接サービスを提供する職員として勤務した総年数を指します。

また、「勤続年数」には、産前産後休業や病気休暇のほか、育児・介護休業、母性健康管理措置としての休業を取得した期間も、雇用関係が継続している限り、勤続年数に含めることが可能です。

サービス提供体制強化加算に関する届出書

サービス提供体制強化加算の算定に当たっては、当道府県知事等への届出が必要となります。

通常の加算同様、加算を算定する月の前月15日までに管轄する都道府県に提出します。

サービス提供体制強化加算に関する届出書

サービス提供体制強化加算に関する届出書

サービス提供体制強化加算に関する届出書(Excel)のダウンロードはこちら

サービス提供体制強化加算の基準割合の算出方法

サービス提供体制強化加算の基準割合は、常勤換算方法で算出した前年度(3月を除く)の平均を使用します。

なお、前年度の実績が6か月に満たない事業所(新規開業または再開業した事業所を含む)については、届出日の属する月の前3か月について、常勤換算方法で算出した平均を適用します。

<参考例〉 勤続年数7年以上の場合

<参考例〉 勤続年数7年以上の場合

4月~2月の看護師等の常勤換算人数の合計:54.2人
看護師等の総数の平均常勤換算人数:54.2÷11か月=4.9人


4月~2月の勤続7年以上の看護師等の常勤換算人数の合計:31人
7年以上の看護師等の平均常勤換算人数:31÷11か月=2.8人


ステーションの看護師等の総数のうち、勤続年数7年以上の看護師等の占める割合

2.8人 / 4.9人 × 100% = 57.1%

※30%以上なので 要件を満たしていることになります

参考文献:中央法規出版発行「訪問看護お悩み相談室 令和5年」版

まとめ

今回は、訪問看護におけるサービス提供体制強化加算について算定要件や留意ポイント、算定の基準(割合の算出)などについてお伝えしました。

本記事が訪問看護事業に従事される方や、これから訪問看護事業への参入を検討される方の参考になれば幸いです。

※本記事は、作成時の最新の資料や情報をもとに作成されています。詳細な解釈や申請については、必要に応じて最新情報を確認し、自治体等にお問い合わせください。

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