こんにちは、恵比寿こもれびクリニックの院長、西嶌暁生です。
最近では多くの美容クリニックで取り扱う様になってきたこともあり、看護師さんの中には、「ダーマペン」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
ただ、施術のイメージはできても、医療レベルでの知識やノウハウを知っている方は多くはないと思います。
ダーマペンとは「マイクロニードリング療法」の1つです。今回は、看護師さんや訪問美容看護に興味がある方に向けて、ダーマペンについてお伝えします。
年齢と共に皮膚のターンオーバーが滞り、老化物質が蓄積される
表皮の一番深い層である基底層で日々新しい細胞がつくられ、生まれてから分化を繰り返し徐々に表面に押し上げられて、やがて角層となり、最後は垢となって剥離・脱落するというサイクルを、ターンオーバーといいます。
ターンオーバーは、若い頃は28日周期ですが、40代になると約40日。年齢とともに速度が落ちます。このため、肌に老化物質が蓄積され、シミやシワなどができやすくなるのです。
傷を治すことと美肌の関係
さて、ダーマペンの仕組みを学ぶ上で、創傷治癒の概念を知っておく必要があります。
というのも、ダーマペンは、あえて皮膚に傷を適度につけることで、肌そのものの再生を促す逆算的な治療だからです。
まず、傷を治すメカニズムですが、下記の図になります。
そして、傷を再生することと、美肌を作ることには深いつながりがあります。
美しく健やかな皮膚を獲得する為には、皮膚の良好な再生(ターンオーバー)が必要です。
私は、キズの専門医(形成外科専門医)として、キズを綺麗に、健康的に、治すことに取り組んできましたが、キズを綺麗に治すには、さまざまな要素が必要であることがわかりました。
キズの管理、キズが治った後の皮膚の管理、必要な栄養素(食事)、生活習慣(遮光、禁煙、睡眠、運動など)など、その分野は様々です。
ダーマペンは傷の生成に関与する因子を刺激する
キズの再生に関与する主要な増殖因子やサイトカインは多数あり、美肌を作るためにも働いていますが、ダーマペンは皮膚に細かい傷をつけることで、それらをワザと刺激しているのです。
例えばFibroblast growth factor(FGF)という再生因子は、フィブラストスプレーという名称で皮膚潰瘍などに保険適応となりよく使用されています。
また、ダーマペン以外にも、美容医療の分野では、臍帯血由来の再生因子を水光注射などで注入したり、CO2フラクショナルレーザーなどわざと皮膚にキズをつけるという施術もあります。
「ダーマペン4」の仕組み
・ダーマペン4には先端に33Gの針が16本、付いています。
・針の深度は0.2〜3mmまで調整できます。
・針の振動する速さは、レベル①〜④&STモードがあります。一番遅いレベル①は1秒間に66回転、一番早いレベル④は1秒間に120回転も行います。
・電池タイプでコードレスです。
ダーマペンの効果と特徴
ダーマペンの効果は、針の深さや速度によって異なります。
さらに、浸透させる溶液によっても、その効果は変わります。なお、浸透させる溶液は様々ありますが、患者さんの悩みによって選択します。
<ダーマペンの適応>
・肌の若返り
・肌の老化治療(シミ、シワ、たるみ、毛穴の開大)
・ニキビ
・色素沈着
・薄毛
・肌の乾燥
・キズ跡
・妊娠線
・毛細血管拡張症
・酒さ
・肝斑
などです
ダーマペンの応用や相性の良い製剤
ダーマペンは溶液の浸透力、すなわちドラッグデリバリーシステムとしても利用できるため、その応用は幅広いです。
単に、肌のターンオーバーを促進させるだけではなく、薄毛治療や再生医療、キズ跡、妊娠線などにも応用できます。
実際の私が臨床において、ダーマペンと特に相性がよいと感じるのは、「マッサージピール」、「育毛剤」、「ポリ乳酸アミド」の3つです。
そしてこれらは、訪問看護として展開していく中でもよいメニューです。
ダーマペンと訪問美容看護の相性はバッチリ!
治療を訪問看護で提供する立場から見た場合のポイントは、下記の6つかと思います。
(1)エビデンスがあり、効果が期待できる治療
(2)トラブルが少なく、安全な治療
(3)1回あたりの治療単価が高い
(4)1~2ヶ月に1回程度、継続して行える治療
(5)施術時間が長すぎない
(6)他の治療との併用が可能
そして、ダーマペンはこれらの条件をほぼ満たしている治療になります。
ダーマペンは美容医療を提供できる「機械」でありながら、そのサイズはとても小さく、軽いため、持ち運びもしやすいです。
また、700〜1000万円以上もするレーザー機器などに比べて、安価で準備もしやすい機器です。
そのため、新しい保険外看護のサービスを検討しているナースには、ぜひお勧めしたいのです。なお、ダーマペンの具体的な使用法やメリット、利益率、ビジネスモデルなどについては、本稿では書ききれないので、セミナーでお伝えします。
ダーマペンを訪問美容看護で行うためには
実際にマッサージピールを患者さんに提供するにあたり、いくつか必要なステップがあります。
STEP1 ダーマペンの知識を習得する。
STEP2 ダーマペンを行う技術を習得する。
STEP3 医師やクリニックと連携する。
STEP4 集患する。
まずは、STEP1を通して、将来的に本気で訪問看護として提供していきたいなら、STEP2~4をサポートする体制も準備しております。
おわりに
皆さんがなんとなく知っていた「ダーマペン」ですが、少し理解は深まりましたでしょうか?
機器を用いる美容医療のメニューの中は、特に訪問美容看護と相性のよい治療ですし、応用の幅も広いです。自分で独立して頑張っていく看護師さんを支えるメニューの1つになると思います!
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