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【令和6年度報酬改定対応】訪問看護師が知っておきたい!訪問看護における2時間ルールと訪問回数の上限

訪問看護は、公的保険制度である医療保険や介護保険等の枠組みで行われるため、訪問回数や訪問時間には上限や例外などのルールが細かく定められています。

訪問看護において、同じ利用者に対し複数回の訪問や2時間未満の間隔でサービスの提供が必要となることも珍しくありません。

利用者の状況・状態に応じた質の高いサービスを提供するためにもこれらのルールをきちんと理解しておくことは非常に重要です。

今回は、2024年度介護報酬改定を踏まえ、訪問看護師が知っておきたい、訪問看護の介護保険おける2時間ルール、そして介護保険、医療保険それぞれの訪問回数の上限についてお伝えします。

訪問看護の24時間ルール(介護保険)とは

訪問看護の24時間ルール(介護保険)とは

介護保険における訪問看護、訪問介護には、1日に複数回訪問看護に入る場合、訪問と訪問の間隔を原則2時間以上、空けなければならいないと定められています。

これを訪問看護の2時間ルールと言います。

訪問看護の2時間ルールは、介護サービスごとに適した単位が加算されるよう設けられた規定であり、利用者へ1日に複数回介護サービスを提供する際に重要となります。

ただし、「2時間以内の訪問をしてはいけない」というわけではなく、前回提供した訪問看護から概ね2時間未満の間隔で訪問看護をおこなう場合は、それぞれの所要時間を合算して請求を行います。

例えば、要介護者に対し70分の訪問看護をおこなった後、概ね2時間未満の間に40分の訪問看護をおこなった場合には、別々に算定するのではなく、所要時間を合算して考え、1時間以上1時間30分未満の報酬を算定します。

2時間ルールが定められた理由とは

2時間ルールが定められた理由とは

次に訪問の所要時間における単位数をみていきます。

2024年度介護報酬改定では、基本報酬が以下のように引き上げられました。

2024年度介護報酬改定における基本報酬の変更

上の図の通り、訪問看護は訪問の所要時間によって、以下のように単位が定められています。

所要時間における訪問看護の基本報酬の単位

20分未満・・・314単位

30分未満・・・471単位

30分以上60分未満・・・823単位

60分以上1時間30分未満・・・1,128単位

理学療法 士、作業 療法士又は言語聴覚士による訪問・・・294単位

このように訪問時間が短いほど、単位時間あたりの報酬が増加するため、長時間の単発訪問よりも短時間の繰り返し訪問の方が、請求額が高くなります。

2時間ルールを設けることで短時間の訪問を繰り返して請求額を増やすことを制限しているのです。

2時間ルールにおいて例外されるケースとは

訪問看護の2時間ルールは、基本的な原則であり、2時間以内の訪問でもこのルールが適用されない例外的な場合もあります。

訪問看護の2時間ルールの例外となるケースは、以下の4点になります。

(1)緊急の場合

訪問看護ステーションが、利用者の急変等にすぐに駆け付け、対応するためには、24時間対応できる体制の整備が必要です。

訪問看護の緊急時対応が必要となるケース

・体調がいつもと違うと感じる時


・介護や処置に不安を感じた時


・転倒や転落をしてしまった時


・医療機器のトラブルがあった時


・薬の使用方法に迷った時

そのため、訪問看護ステーションの「緊急時に対応する体制」および「緊急時の対応」を評価する加算が設定されており、2時間ルールの例外として訪問することができます。

介護保険では、24時間対応可能な体制を整えている場合に「緊急時訪問看護加算」を算定することができ、医療保険においては、24時間対応可能な体制確保に対し「24時間対応体制加算」、そして緊急時に訪問した際に「緊急訪問看護加算」が算定できます。

※訪問看護ステーションの緊急時対応における加算についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

訪問看護ステーションの緊急時対応における加算とは(介護保険・医療保険)

(2)所要時間「20分未満」の場合

所要時間が「20分未満」の訪問は、2時間ルールの例外となります。

原則として、20分未満の訪問は、器官内吸引や導尿、経管栄養等の短時間かつ頻回な医療的処置等が必要な利用者さんに対してのみ可能とされています。

そのため、20分未満の訪問は1回のみでの算定はできないと定められています。

20分未満の訪問を行うための算定要件は以下の2点で定められています。

1. 週に1回以上、20分以上の看護師等(准看護師を除く)による訪問看護が居宅サービス計画に含まれていること。


2. 緊急時訪問看護加算が算定されており、24時間体制で訪問看護が行える体制が整えられていること。

(3)他の職種が訪問する場合

1日に異なる職種の訪問を行う場合は、2時間ルールは適用されず、それぞれの職種ごとに算定が可能です。

看護職員や理学療法士などが訪問した後に、別の職種が2時間以内に訪問看護を行う場合は、各職種ごとに算定が可能です。

ただし、1人の利用者に対して連続して訪問看護を提供する必要性は、適切なケアマネジメントに基づいた判断が必要です。

(4)計画段階で2時間以上空いていた場合

予定では2時間以上の間隔を空けて訪問を行う予定でしたが、点滴注射が早く終了したために、訪問間隔を2時間空けることができない状況が生じることがあります。

こうしたやむを得ない理由による時間の変動が生じた場合でも、訪問間隔が予定通りに2時間空けられた場合の加算内容を算定することができます。

訪問看護における訪問回数の上限とは

訪問看護における訪問回数の上限とは

それでは、次に訪問看護における訪問回数の制限について見ていきましょう。

保険の種類や医師の指示内容によっても訪問できる回数の上限は、異なります。

(1)介護保険の訪問看護における訪問回数の上限

・介護保険の訪問看護では、訪問回数に上限はありません。


・セラピスト(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)の訪問は週間合計で120分までです。


・異なる種類のセラピストが同日に訪問する場合でも、「セラピスト」の時間で計算されます。例えば、同日に理学療法士と作業療法士が訪問する場合は、2時間ルールが適用されるため注意が必要です。


・複数の施設のセラピストが同じ日に訪問する場合も同様です。


・外来のリハビリと訪問看護のリハビリは併用が可能です。例えば、「外来リハビリ120分/週+訪問看護リハビリ120分/週」という利用が可能です。

介護保険の訪問看護では、ケアプランをケアマネジャーが作成し、その計画に基づいて訪問が行われます。

多くの利用者は他のサービスも併用しているため、ケアマネジャーとの連携が非常に重要です。

(2)医療保険の訪問看護における訪問回数の上限

・原則1日1回、週3回まで


・原則1事業所のみの利用。


別表7・8に該当、特別訪問看護指示書が出ている場合の場合は、週4日以上の訪問が可能


1週間に「3日目まで」と「4日目以降」では、基本療養費の金額が変わる


1日に複数回(2回・3回)の訪問は難病等複数回訪問加算を算定する

医療保険が適用される訪問看護では、通常は1日1回、週に3回が訪問回数の上限とされています。

ただし、特定の疾患や状態の利用者に対しては、1日1回以上、週に3回以上の訪問が認められています。

※特別訪問看護指示書についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

特別訪問看護指示書の重要性と注意すべきポイント

利用者から訪問回数の追加を要望された場合の対応

利用者から訪問回数の追加を要望された場合の対応

さいごに利用者から「もっと訪問看護を受けたい」という追加の要望があった場合の対応についてお伝えします。

このようなケースでも介護保険か医療保険かによって対応方法が異なります。

介護保険の利用者の場合は、ケアマネジャーに相談してください。

要介護度の支給限度額内で訪問看護サービスを増やすか、他のサービスとの調整が可能かを検討し、ケアプランの見直しを依頼します。

医療保険の利用者の場合は、訪問看護指示書を出している医師に報告・相談してください。

利用者の状態や訪問頻度を増やす背景や必要性を明確に説明するために、訪問看護報告書に詳細な情報を記載すると、医師が訪問看護回数を見直しやすくなります。

まとめ

今回は、2024年度介護報酬改定を踏まえ、訪問看護師が知っておきたい、訪問看護の介護保険おける2時間ルール、そして介護保険、医療保険それぞれの訪問回数の上限についてお伝えしました。

本記事が訪問看護事業に従事される方や、これから訪問看護事業への参入を検討される方の参考になれば幸いです。

※本記事は、作成時の最新の資料や情報をもとに作成されています。詳細な解釈や申請については、必要に応じて最新情報を確認し、自治体等にお問い合わせください。

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訪問看護は未経験であり自己資金もゼロでしたが、ある経営者さんとの出会いにより新規立ち上げの訪問看護ステーションで将来の独立を前提に管理者として働くことが決定しました。 現在年収600万円を得ながら経営ノウハウを習得し、3年後の独立、理想の訪問看護ステーション作りに邁進されています。

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