訪問看護ステーションの収入源である介護保険。訪問看護ステーションの開業を目指すなら、介護保険制度についてきちんと知っておく必要があるでしょう。
この記事では、介護保険の仕組みを解説します。
介護保険制度の仕組み
介護保険とは、介護保険法に基づいて運用されている社会保険サービスです。「社会全体で高齢者を支える」ことが目的です。
介護保険は2000年から始まりました。
介護保険の保険者(運営者)は、市町村などの自治体です。40歳以上の人が加入します。
介護保険は、加入者が納めた保険料と、国の税金でまかなわれています。保険料と税金は50%ずつです。
出典元:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」pdf
訪問看護ステーションの利用者は、ほとんどがこの介護保険を利用してサービスを受けています。したがって、訪問看護ステーションは、サービス利用分の費用のうち、約9割(8割・7割)が、介護保険の財源から訪問看護ステーションへと支払われます。
したがって、介護保険が訪問看護の主な収入源と言えます。
そもそも介護保険とはどんな制度?
介護保険の利用者数は?
2000年に運用がスタートした介護保険も、運用から23年が経過しています。利用者はどのくらいいるのでしょうか?
次の表をご覧ください。
出典元:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」pdf
介護保険がスタートした2000年4月末から2021年では、第1号被保険者が1.7倍に増えています。
サービス利用者数では、3.4倍です。
訪問看護を含む在宅サービス全体の利用者数は、介護保険のスタートから21年で、97万人から399万人へと増加しています。
介護保険を利用して訪問看護を受ける人は、増加の一途をたどっているのです。
今後、介護保険はどうなっていくのか
年々どうかし続けている介護保険の利用者数。今後はいったいどうなるのでしょうか。
厚生労働省によると、65歳以上の高齢者の数は、今後さらに増加を続け、2025年には3,677万人になると考えられています。
2024年にはピークを迎え、3,935万人に達すると予測されています。
出典元:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」pdf
さらに少子化の影響で、全人口に占める75歳以上の高齢者の割合は増加し、2025年には、全人口の75歳以上の高齢者は25%を超えるとのことです。
つまり、日本人の4人に1人は高齢者になります。3人で1人の高齢者を支えなくてはならない時代が、すぐそこまで来ているのです。
介護保険での訪問看護における介護保険の利用者数は?
介護保険を利用して訪問看護を受ける人の数を見てみましょう。
厚生労働省の試算では、訪問看護の利用者は、2020年から2025年の5年間で、61万人から71万人へと増えると見込まれています。
出典元:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」pdf
厚生労働省の試算を見ても、ますます訪問看護ステーションが必要になってくるのは間違いないと言えるでしょう。
在宅医療や介護の担い手である訪問看護ステーションは、社会から注目されています。いろいろナースでは、訪問看護ステーションを開業したいと思う看護師を応援しています。
独立開業に関心を持ったら、ぜひお問い合わせください。