将来の独立の選択肢?看護師がおこなう保険外・自費サービス

近年、看護師が自分たちの専門知識やスキルを活かしたビジネスを立ち上げる例が増えています。

独立起業を考える際に必要なのは、今後需要が高まるサービスや新たに必要とされるサービスなど、時流を読むことです。

今回は、高齢化が進む日本において徐々にニーズが高まっている「保険外・自費サービス」において、看護師がおこなうことができるサービスについてご紹介します。

目次

顧客ニーズからみる保険外・自費サービス

顧客ニーズからみる保険外・自費サービス

保険外・自費サービスは、医療介護保険では補えないニーズに応えるため、様々な種類が考えられます。しかし、自費サービスであるため、顧客の要望を満たす、求められるサービスであることが必要です。

そのため、専門性の高いサービスの提供はもちろんのこと、利用者の個別ニーズに合わせたオーダーメイド型のサービスを考えていく必要があります。

では、保険外・自費サービスにはどのようなものがあるのでしょうか。

まずは、未病予防、健康寿命延伸、家族ケアなど目的別にみていきます。

未病予防における保険外・自費サービス

未病予防における保険外・自費サービス

未病予防における保険外・自費サービスは、健康維持や予防医療に特化したサービスであり、看護師が提供することができます。以下に代表的なサービスをいくつか紹介します。

(1)健康相談

看護師が、生活習慣や栄養、運動、ストレス管理などの健康に関する相談に応じ、健康状態を把握し、アドバイスや指導を行います。

(2)健康チェック・健康診断

健康状態を詳しく調べることで、未病を予防することができます。看護師が血圧測定、身体測定、尿検査、採血などを行い、健康状態を確認することができます。

(3)食事指導

食事指導は、食生活に関するアドバイスや指導を行い、健康維持や疾患予防につなげることができます。看護師が、食事内容や栄養バランス、調理方法などについて指導を行うことができます。

(4)ストレスケア

ストレスは、疾患の原因となることがあります。看護師がストレスに関する相談に応じ、ストレスの原因を探り、ストレス解消のためのアドバイスやリラクゼーションなどの提供を行います。

(5)アロマテラピー

アロマテラピーは、精油を使用して身体や心のバランスを整える効果があります。看護師がアロマテラピーを提供することで、ストレスや不眠などの症状を緩和し、健康維持につなげることができます。

健康寿命延伸における保険外・自費サービス

健康寿命延伸における保険外・自費サービス

健康寿命延伸における保険外・自費サービスは、健康維持や予防医療に特化したサービスであり、看護師が提供することができます。以下に代表的なサービスをいくつか紹介します。

(1)健康アセスメント

健康状態を把握し、病気や認知症などのリスクを評価することで、健康寿命を延伸することができます。看護師が、健康に関するアンケート調査や身体検査を行い、健康状態を把握し、リスク評価を行います。

(2)運動指導

運動は、健康維持や認知症予防に効果的です。看護師が、顧客の身体能力や運動習慣を把握し、運動指導を行うことで、健康維持や認知症予防につなげることができます。

(3)認知症予防トレーニング

認知症予防トレーニングは、認知症の発症リスクを下げるためのトレーニングです。看護師が、記憶力や認知機能を鍛えるトレーニングを提供することで、認知症予防につなげることができます。

(4)栄養指導

栄養バランスが偏っていると、健康寿命が短くなることがあります。看護師が、顧客の食生活や栄養状態を把握し、適切なアドバイスを行うことで、健康維持につなげることができます。

(5)睡眠指導

睡眠不足は、健康寿命を短くする原因となることがあります。看護師が、睡眠習慣や環境を把握し、適切なアドバイスを行うことで、睡眠の質を向上させ、健康寿命を延伸することができます。

家族ケアにおける保険外・自費サービス

家族ケアにおける保険外・自費サービス

家族ケアにおける保険外・自費サービスは、介護や生活支援に特化したサービスであり、看護師が提供することができます。以下に代表的なサービスをいくつか紹介します。

(1)介護相談

介護に関する相談やアドバイスを行うサービスです。看護師が、介護保険制度や介護施設の選び方、介護の技術や知識などを提供することで、介護する家族の負担を軽減し、家族ケアを支援することができます。

(2)家族介護支援

家族介護支援は、介護する家族の負担を軽減するためのサービスです。看護師が、家族介護の技術や知識を提供することで、家族が介護をする際のストレスを軽減し、介護の質を向上させることができます。

(3)生活支援

生活支援は、日常生活での支援を提供するサービスです。看護師が、家事や買い物などの日常生活の支援を行うことで、家族が生活するための時間や負担を減らし、家族ケアを支援することができます。

(4)体験型プログラム

体験型プログラムは、介護をする家族にとってのリフレッシュや、交流の場を提供するサービスです。看護師が、介護をする家族が楽しめる体験イベントを企画し、家族が気持ちよく家族ケアをすることができるよう支援します。

患者の外出・イベントにおける保険外・自費サービス

患者の外出・イベントにおける保険外・自費サービス

患者の外出やイベントにおける保険外・自費サービスは、看護師が提供することで、患者の健康管理や安全確保、生活支援などを行うことができます。以下に代表的なサービスをいくつか紹介します。

(1)付き添い介護

付き添い介護は、患者が外出やイベントに参加する際に、看護師が患者に同行し、健康管理や医療処置、日常生活の支援などを行うサービスです。患者が安心して外出やイベントに参加できるよう支援します。

(2)食事介助

外出やイベント中に食事をとる場合、看護師が食事介助を行うことで、患者が適切な食事をとることができます。また、食事のアレルギーや制限食などの管理も看護師が行います。

(3)薬物管理

外出やイベント中に薬を服用する場合、看護師が薬物管理を行うことで、正しい薬の飲み方やタイミングの管理、副作用の確認などを行い、患者の健康管理に貢献します。

(4)安全管理

外出やイベント中において、患者が急病や事故に遭遇することがないよう、看護師が安全管理を行います。例えば、車椅子の使用方法や階段の上り下りのサポート、トイレ介助などを行い、安全に外出やイベントを楽しむことができるよう支援します。

(5)疾病管理

患者が外出やイベント中に疾病の発作などを起こした場合、看護師が適切な医療処置を行い、症状の改善に貢献します。また、疾病に関するアドバイスや、医療機関への連絡なども看護師が行います。

美容・アンチエイジングにおける保険外・自費サービス

美容・アンチエイジングにおける保険外・自費サービス

美容やアンチエイジングに関するサービスは、高齢化が進む中で需要が増加しているため、看護師が提供することで安心感が得られることもあり、需要が拡大する可能性があります。

(1)美容注射

美容注射とは、ボトックスやヒアルロン酸などの成分を皮膚に注射することで、しわやたるみ、ほうれい線などの改善を図る治療です。看護師は、美容クリニックなどで医師の指示のもと、注射を行うことができます。

(2)フェイシャルエステ

フェイシャルエステは、顔の肌質改善やたるみ改善、小顔効果などを目的としたエステティック施術です。看護師がフェイシャルエステを提供する場合、美容機器を使用したトリートメントやマッサージ、美容液の使用などを行います。

(3)ボディエステ

ボディエステは、身体の引き締めやセルライト除去、デトックス効果などを目的としたエステティック施術です。看護師がボディエステを提供する場合、美容機器を使用したトリートメントやマッサージ、美容液の使用などを行います。

(4)スキンケアアドバイス

看護師は、美容に関する知識やスキンケアに関する知識を持っているため、スキンケアアドバイスを行うことができます。肌の状態を確認し、適切なスキンケア方法をアドバイスすることで、患者の美肌づくりに貢献します。

(5)ダイエットアドバイス

看護師は、栄養やダイエットに関する知識を持っているため、ダイエットアドバイスを行うことができます。適切な食事内容や運動方法、食品の選び方などをアドバイスすることで、患者の健康管理や美容・アンチエイジングに貢献します。

(6)アートメイク

美容だけでなく、病気やケガで傷を負った人への施術や、がん治療による脱毛や眉毛のない人へのサービスがあり、需要があると考えられます。

これらのサービスには医療行為に該当するものもあり、専門的な知識や技術が必要ですので、十分な知識と技術を身につけた上で提供することが求められます。

対象者からみる保険外・自費サービス

対象者からみる保険外・自費サービス

次にサービスの対象者から必要とされる保険外・自費サービスについてみていきます。

高齢者に対する保険外サービス

高齢者に対する保険外サービス

介護保険制度の充実により、高齢者が必要とするサービスの多くはカバーされていますが、以下のような保険外・自費サービスが考えられます。

(1)オプションサービス

介護保険制度のサービスには、限度額や回数の制限があるため、その上限を超えるケアが必要な場合には、オプションサービスとして自己負担で利用することができます。

(2)健康管理サービスの利用

高齢者は健康管理に十分な注意を払う必要があります。自費で利用できる健康管理サービスには、健康診断や医療機器のレンタル、自宅での訪問看護などがあります。

(3)コミュニティ活動の参加

高齢者が社会的に孤立することが少なくありません。自己負担で利用できるコミュニティ活動に参加することで、社会とのつながりを持ち、健康な生活を送ることができます。例えば、趣味のサークルや旅行ツアーなどがあります。

疾患別の高齢者に対する保険外サービス

疾患別の高齢者に対する保険外サービス

高齢者の疾患別に求められる自費サービスには、以下のようなものがあります。

(1)認知症

認知症のために日常生活の中で困難を抱えている高齢者に対して、個別支援や認知症専門の訪問介護サービスが提供されます。

(2)脳卒中

脳卒中後遺症により身体機能が低下した高齢者には、理学療法や作業療法、言語聴覚療法などのリハビリテーションサービスが求められます。

(3)骨粗鬆症

骨粗鬆症により骨折リスクが高い高齢者には、骨密度測定や運動療法などの予防的なサービスが求められます。

(4)がん

がん治療による副作用やリハビリ、栄養管理など、がん患者に対する緩和ケアサービスが提供されます。

(5)糖尿病

血糖値の測定や食事管理、運動指導、自己注射のサポートなど、糖尿病患者に対する管理サービスが求められます。

(6)心臓病

心臓病により日常生活が制限される高齢者には、医師の監修の下、運動療法や食事指導などのサービスが求められます。

妊産婦に対する保険外サービス

妊産婦に対する保険外サービス

妊産婦に対する保険外サービスとしては、以下のようなものが考えられます。

・妊娠中や出産後の心理カウンセリング

・妊婦向けのヨガやストレッチ、ピラティスのクラス

・出産前の産前整体やマッサージ

・出産後のリラクゼーションマッサージ

・産後の骨盤調整

・授乳相談や母乳育児サポート

・赤ちゃんのスキンケアやマッサージのレッスン

・赤ちゃんの睡眠トレーニングやコミュニケーションのサポート

これらのサービスは、妊娠や出産に関する不安やストレスを軽減し、ママや赤ちゃんの健康をサポートすることが期待されています。ただし、これらのサービスは保険外であるため、自己負担が必要な場合があります。

小児における保険外サービス

小児における保険外サービス

小児における保険外サービスには、以下のようなものが考えられます。

(1)特別な訓練やトレーニングプログラム

特定の疾患を持つ子供や障害を持つ子供に対して、特別な訓練やトレーニングプログラムを提供することができます。例えば、発達障害の子供に対して、社会性やコミュニケーション能力を向上させるためのトレーニングプログラムを提供することができます。

(2)介助や看護サービス

身体障害を持つ子供や重度の病気を患っている子供に対して、日常生活の中での介助や看護サービスを提供することができます。例えば、重度の脳性麻痺を持つ子供に対して、食事や入浴、排泄などの介助を提供することができます。

(3)カウンセリングサービス

精神的な問題を抱える子供や、その家族に対して、カウンセリングサービスを提供することができます。例えば、発達障害を持つ子供や、がんを患う子供に対して、ストレスや不安を軽減するためのカウンセリングサービスを提供することができます。

(4)機器やツールの貸し出し

特定の疾患を持つ子供に対して、療育やリハビリに必要な機器やツールを貸し出すことができます。例えば、発達障害を持つ子供に対して、コミュニケーションを助けるためのAAC(補助・代替コミュニケーション)デバイスを貸し出すことができます。

これらの保険外サービスは、子供の健康や生活の質を向上させるために役立ちます。ただし、自己負担が必要となる場合があるため、事前に十分な調査と検討が必要です。

まとめ

今回は、高齢化が進む日本において徐々にニーズが高まっている「保険外・自費サービス」において、看護師が必要とされるサービスについてご紹介しました。

保険外・自費サービスは、公的な医療・介護サービスだけでは十分に対応できないニーズに応えるために必要です。

ただし、看護師による自費サービスの提供には、ビジネスのスキルや法務知識、マーケティング力などが必要です。また、看護師としての専門性を維持しながら、ビジネスとしての成長を図ることも課題となります。

今回の記事が将来、独立起業を考える看護師の参考になれば幸いです。

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保険外美容医療での看護師独立ストーリー

石原看護師は、約1年前に美容エステと美容医療を組み合わせた独自メニューを提供する美容サロンを自宅で開業されました。
週に2回はクリニックに勤務しながら、子育てや家事と両立できるサロン運営を軌道に乗せています。

石原看護師がどのようにして時間や場所にとらわれない働き方を実現できたのか、その経緯、現在の状況、そして今後のビジョンについてお話をうかがいました。

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