こんにちは、恵比寿こもれびクリニックの院長、西嶌暁生です。
人生100年時代と呼ばれる社会において、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ためには「健康」が不可欠です。
このコラムでは、在宅の現場で日々奮闘している訪問看護師の皆様に向けて、時間や労力、コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」をご紹介していきたいと思います。
本日は、インナーケアに必要な「腸活」の第4回として、不要な毒素を排出し、しっかり代謝できる身体作りに重要な働きをする肝臓のケアについてお伝えしたいと思います。
肝臓を意識的にいたわりましょう
タンパク質や胆汁をつくり、さまざまな成分を分解・解毒するなど、肝臓はあらゆる臓器のなかでもトップクラスに重要な働きをしています。
そのくせ〝沈黙の臓器〞と呼ばれるほど、病気や異変があっても進行するまで自覚症状を感じられないだけに、意識的にいたわらなければなりません。
肝臓に負担をかけないためのポイントをご紹介しましょう。
(1)休肝日をつくる
アルコールは、肝臓で分解されます。過剰なアルコール摂取は、肝臓に大きな負担をかけます。
「アルコール性肝障害」や「脂肪肝」のおもな原因が、お酒の飲みすぎです。
「休肝日」という名のとおり、お酒を飲まないことで肝臓を休ませる日を定期的に設けましょう。
最低でも週に1日は、いっさいアルコールを摂らないと心に決めてください。
※アルコールとの上手な付き合い方はこちらの記事も参考にしてみてください。
(2)薬をむやみやたらと飲まない
薬は肝臓で代謝されるため、多量に服用すると肝臓に負担をかけることがあります。
市販薬であっても、長期間の使用や過剰摂取は肝臓にダメージを与える可能性があります。
また、サプリメントや漢方薬でも肝機能に影響を与えるものがあるため、服用前に医師や薬剤師に相談することが重要です。
実際に医療現場で肝機能障害の患者さんの原因を探ると、薬やサプリメントの飲みすぎだったということはよくあります。
医薬品には多くの添加物が含まれており、肝臓の代謝機能に負担をかけます。
本来は健康のために飲んでいるつもりが、皮肉にも逆効果になってしまっているのですね。
ここでも「Less is more (レス・イズ・モア)」を思い出してください。余計なことを足すのではなく、ムダなことを減らすほうが、結果的に美容にも健康にもよい結果をもたらします。
(3)有害物質を排出させる
日常生活のなかで、知らず知らずのうちに体内に蓄積していく有害ミネラル(重金属)。
肝臓は体内の有害物質を解毒する機能を持っていますが、これらの有害物質が多すぎると肝臓に負担がかかります。
体内に入ると、防御反応として肝臓の代謝・解毒・排泄機能を酷使することになりますから、意識的にデトックスしていかなければなりません。
まず知っておきたいのは、どんなシーンで有害ミネラルを体内に入れてしまっているかということ。
男性の摂取機会が多いと考えられるのはアルミニウムです。特に
•制汗スプレー
•胃腸薬、ワクチンなどの医薬品
•ビールやジュースのアルミ缶
•アルミホイル
•アルミ鍋ややかん(調理中に溶け出す可能性がある)
などに注意が必要です。
ほかにもタバコや排気ガスによりカドミニウムが、大型魚や歯の詰めもの(アマルガム)により水銀が、というように、想像以上に身近なところに有害ミネラルはひそんでいます。
できるだけ交通量の多い場所を避け、プラスチック製品やアルミ鍋、テフロン加工のフライパンは使わないといった工夫をするとともに、取り込まれてしまった有害ミネラルは排出を促していきましょう。
その際「シリカ(ケイ素)」が有害物質のデトックスにひと役買ってくれます。
シリカ(ケイ素) は、地球上で酸素の次に多い元素で、私たちの体にも含まれているミネラルの一種です。
シリカ(ケイ素)が肝臓デトックスに有効と言われる理由
シリカが肝臓デトックスに有効と言われる理由は、主に以下のメカニズムが考えられています。
重金属と結合する能力
シリカは、体内に蓄積された重金属(鉛、水銀など)と結合する能力があるとされています。
これにより、重金属が体内に吸収されるのを防ぎ、体外への排出を促す効果が期待できます。
肝機能の改善
シリカは、肝臓の細胞膜を強化し、肝臓の機能を改善する働きがあると考えられています。
健康な肝臓は、有害物質を解毒し、体外へ排出する能力が高いため、肝機能の改善はデトックスに繋がります。
抗酸化作用
シリカには、抗酸化作用があると言われています。
抗酸化作用は、活性酸素による細胞のダメージを防ぎ、肝臓の健康を維持するのに役立ちます。
シリカ(ケイ素)を含む食品
シリカは、多くの植物に含まれています。特に、以下のような食品に多く含まれています。
全粒穀物
オーツ麦、全粒小麦、玄米などの全粒穀物は、シリカを多く含んでいます。
野菜
特に多くのシリカを含む野菜として、じゃがいも、ほうれん草、ニンジン、キャベツ、トマトなどが挙げられます。
果物
バナナ、マンゴー、キウイ、いちごなどの果物にもシリカが含まれています。
ハーブ
ホーステイル(馬尾/ ツクシ)という植物には特に多くのシリカが含まれています。ホーステイルは伝統的な薬草として利用されてきました。
一部のミネラルウォーター
一部のミネラルウォーターにもシリカが含まれており、水分補給の際にこれを飲むことで日常的にシリカを摂取することができます。
※シリカ水の過剰摂取は体に負担がかかる可能性があるため注意が必要です。
これらの食品を日常的に摂取することで、自然にシリカを取り入れ、デトックス効果を高めることができます。
肝臓のケアには、良質な睡眠が不可欠です
睡眠は、単に体を休めるだけでなく、私たちの体内の様々な器官の働きを調整する上で非常に重要な役割を果たしています。
特に、肝臓という臓器にとっては、睡眠が非常に重要です。
睡眠が肝臓のケアに大切な理由とは
なぜ睡眠が肝臓のケアに大切なのでしょうか?その理由は大きく分けて3つあります。
(1)夜間の解毒
肝臓は、私たちが食事から摂取した栄養素をエネルギーに変えたり、体内に取り込まれた有害物質を解毒したりする働きを持っています。特に、睡眠中は、体内の活動が低下し、肝臓は解毒作用を活発に行います。
(2)肝臓の再生
睡眠中に、肝臓の細胞は損傷した部分を修復し、再生を行います。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肝臓の再生を促す働きがあります。
(3)横になることで血流がよくなる
当然ですが、睡眠中、私たちは横になっている状態になります。この体勢は、心臓から肝臓への血流を促進する効果があります。
血流がよくなることで、肝臓への酸素や栄養素の供給がスムーズに行われ、肝臓の働きをサポートします。
このように睡眠は、肝臓の健康維持に不可欠なものです。
質の高い睡眠をとることが、肝臓の解毒機能や再生能力を高めることに直結するのです。
まとめ
今回は、不要な毒素を排出し、しっかり代謝できる身体作りに重要な働きをする肝臓のケアについてお伝えしました。
肝臓のケアは、今すぐ始められる健康習慣です。休肝日、薬の適切な服用、バランスの取れた食事、そして質の高い睡眠を意識して生活に取り入れてみましょう。