こんにちは、恵比寿こもれびクリニックの院長、西嶌暁生です。
訪問看護で新たな保険外メニューを導入しようとお考えの方も多いのではないでしょうか。
実は、訪問看護との相性が良く、医療行為として提供できる美容看護やアンチエイジングの方法は数多く存在します。
中でも、近年注目されているのが、点滴によるインナーケアの一つで、効果とエビデンスが確立された「高濃度ビタミンC点滴」です。
本日は、アンチエイジングの新たな選択肢して注目されている高濃度ビタミンC点滴療法、そして訪問看護ステーションにおける自費・保険外サービスの可能性についてお伝えします。
- 1 高濃度ビタミンCとは
- 2 高濃度ビタミンCの7つの効果
- 3 高濃度ビタミンCと「がん治療」について
- 4 訪問看護における高濃度ビタミンC点滴の役割とニーズ
- 4.1 患者さんの視点
- 4.2 訪問看護ステーションや訪問美容ナースにとって、今後、保険外看護の分野における新しいメニューの1つになることは間違いありません。 比較的単価も高く、定期的な投与になりますので収益につながります。また、実際に効果もあるので、費用に見合う誠実な医療サービスとして提供できます。 ただし、医師との連携が必須なので、スムーズにサービスを提供するための体制を作る必要があります。 おわりに 「高濃度ビタミンC点滴」はヘルスケア、未病・予防、美容、生活習慣病、がん治療まで、幅広い悩みを対象とした治療として、その効果やエビデンスは確立しています。 また、安全な治療ですので、訪問看護で行っても問題はありません。 独立して、自分で頑張っていく看護師さんを支えるメニューの1つになると思います。 【2025年2月開講】ヴィーナス(Be nurse)アカデミー第二期生募集を開始しました! 2025年2月受講スタートアカデミー第二期生募集を開始しました。
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高濃度ビタミンCとは
ビタミンC(アスコルビン酸)は、皮膚や骨、腱などを構成するコラーゲンを作るのに欠かせない成分です。また、体内で抗酸化作用を高め、免疫力を向上させる働きが期待されています。
高濃度ビタミンCの主な働きの仕組みは、以下の通りです。
組織の炎症を抑える
ビタミンCは抗炎症作用を持ち、炎症を引き起こす原因となるサイトカインの過剰な産生を抑制します。また、炎症による組織のダメージを軽減し、回復を促進します。
ミトコンドリアの機能を正常化する
ミトコンドリアの代謝活動をサポートすることで、細胞エネルギーの生産効率を高めます。これにより、エネルギー不足による細胞の異常や老化を防ぎます。
免疫システムの活性化
ビタミンCは、免疫細胞の活動を活性化させ、感染に対する防御力を強化します。具体的には、ウイルスや細菌に対抗するインターフェロンの産生を助け、異物を取り込むマクロファージの働きを強化します。
また、自然免疫を担うNK細胞の数や移動能力を増加させ、免疫全体のパフォーマンスを向上させます。
P53遺伝子(がん抑制遺伝子)を安定化
ビタミンCはP53遺伝子の安定化をサポートし、そのがん抑制作用を最大限に引き出します。これにより、異常な細胞の増殖を抑え、がん化のリスクを低減します。
高濃度ビタミンCの7つの効果
高濃度ビタミンC点滴には、次のような効果が期待できます。
①疲労回復効果
ビタミンCの内服に比べ、血中濃度を速やかに効率よく高めるため、疲労回復効果に即効性があります。
②免疫力の向上
体内のウイルスや病原菌を排除する白血球やマクロファージの機能を強化します。
③抗ストレス作用
日々の、精神的・肉体的なストレスにより生じる「活性酸素」を抑制します。健康的なホルモンの働きを応援し、ストレスに対応できる体を作ります。
④美肌効果
シミの大敵であるメラニン色素の産生を抑制します。また、コラーゲンやエラスチンなど、肌の弾力のもとを増やして、たるみやシワの予防や改善を行い、ハリのある肌をサポートします。
さらに水分を挟み込むセラミドの生成を促し、肌水分量を維持することで水々しい肌になります。余剰な皮脂の分泌を抑えて綺麗な毛穴を保つので、ニキビや肌荒れにも効果的です。
⑤抗酸化作用
体のサビを防ぐ「抗酸化作用」により、細胞を攻撃する「活性酸素」から細胞を守り、組織の酸化を防ぎます。
⑥動脈硬化の予防
動脈硬化の発症は、活性酸素により血管の内皮細胞がダメージを受けることが原因の1つとなっています。ビタミンCには悪玉コレステロールである「LDLコレステロール」の参加を防ぐ効果があります。
⑦歯周病治療・対策
歯茎などの歯周組織の健康を維持します。歯周病やインプラント歯周炎の予防、改善をサポートしたり、難治性の口内炎を改善したりします。口元の美白やアンチエイジングにも効果があるとされています。
高濃度ビタミンCと「がん治療」について
さて、上記の①~⑦はご存知の方も多いと思います。本稿では、「がん予防・治療」と高濃度ビタミンCについて、さらに詳しくお伝えしたいと思います。
(1)がん治療の考え方
がんの治療法は近年、加速度的に進歩しており、従来の抗癌剤、放射線、手術に加えて、分子標的療法、免疫療法、遺伝子治療など様々な治療が用いられるようになってきました。
というのも、「がん」は単一性のクローン体ではなく、様々な特徴をもつ複雑な細胞の集合体であり、特に進行度の高いがんにおいては単一の治療だけでは十分な治療効果が得られないこともしばしばあるからです。
そのため、より高い治療効果を出すために、複数の治療を組み合わせる「集学的治療」という方法が積極的に取り入れられるようになってきました。
(2)なぜ、高濃度ビタミンCの点滴はがん治療で注目されているのか?
ビタミンCを点滴によって大量に体内に取り込み、血中濃度を高くすると、抗酸化作用が発揮されると同時に、過酸化水素が発生します。
この過酸化水素により、がん細胞は核濃縮され細胞死すると言われています。一方で、正常細胞はカタラーゼで守られているため、癌細胞だけを効率的に死滅させる可能性があるのです。
さらに、化学療法や放射線療法などの「標準治療」の副作用の緩和、倦怠感、食欲低下などの症状を改善することもわかっており、がん患者のQOLを維持し、肉体的にも精神的にも効果があるとされています。
(3)アメリカでの現状
2005年に、アメリカ国立衛星研究所(NIH:National Institutes of Health)や国立癌センター(NCI:National Institutes of Health)、食品薬品局(FDA:Food and Drug Administration)に所属する研究者らが共同で「アスコルビン酸は選択的に癌細胞を殺す」と発表されており、アメリカでは公的にがん治療としての効果が認められています。
現在、アメリカにおいて癌患者に対して高濃度ビタミンCを投与する機会は増えています。
(4)高濃度ビタミンCの副作用
ビタミンCによる治療ですので、基本的にはほとんど副作用はありませんが、高濃度ビタミンC点滴の副作用としては、以下のようなものがあります。
①血管痛
浸透圧差により、血管痛が生じやすくなります。投与速度やホットパック、併用薬剤なにより、疼痛を緩和します。
②溶血
G6PD欠損症と呼ばれる特殊な体質(非常にまれです)の場合には溶血をおこすので、高容量を投与する場合は、事前にチェックします。
③利尿作用
ビタミンCによる利尿作用によって、尿意や口渇感などの症状が生じやすくなります。
④低カルシウム血症
ビタミンCはカルシウムを体外に排出する働きがあるので、低カルシウム血症を起こし、身体が震えるなどの症状(テタニー発作)がでることが稀にあります。このような場合、点滴内にカルシウムを加えることがあります。
⑤低血糖
ビタミンCとブドウ糖の構造がよく似ているため、体が勘違いしてしまい、血糖を下げるためのインスリンというホルモンが分泌され、低血糖になってしまいます。
点滴が始まってから5〜10分以内に起こることが多いです。低血糖を予防するために、点滴前に食事を摂取することを推奨しています。
訪問看護における高濃度ビタミンC点滴の役割とニーズ
続いて訪問看護における高濃度ビタミンC点滴の役割とニーズについて患者さんと医療者それぞれの視点からみていきたいと思います。
患者さんの視点
訪問看護が必要な方の多くは、なんらかの病気の既往があり、看護が必要な方がほとんどです。中には、既存の標準治療での副作用や効果への不信感などもあるかもしれません。
もちろん、「高濃度ビタミンC点滴」は万能ではありませんが、副作用がほとんどなく、エビデンスもあり、高レベルのインナーケアとして、とても良いと思います。
がんの既往のある患者さん、脳梗塞や心筋梗塞の機能のある患者さん、長生きしたい患者さんなど、多くの患者さんが対象になります。ただし、自費診療になりますので、保険治療に比べると割高になります。
訪問看護ステーションや訪問美容ナースにとって、今後、保険外看護の分野における新しいメニューの1つになることは間違いありません。
比較的単価も高く、定期的な投与になりますので収益につながります。また、実際に効果もあるので、費用に見合う誠実な医療サービスとして提供できます。
ただし、医師との連携が必須なので、スムーズにサービスを提供するための体制を作る必要があります。
おわりに
「高濃度ビタミンC点滴」はヘルスケア、未病・予防、美容、生活習慣病、がん治療まで、幅広い悩みを対象とした治療として、その効果やエビデンスは確立しています。
また、安全な治療ですので、訪問看護で行っても問題はありません。
独立して、自分で頑張っていく看護師さんを支えるメニューの1つになると思います。
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