訪問看護「5年後の業界予測」(NO.2)~「業界の60%を占める中規模ステーションが取るべきポジショニング戦略とは

~いろいろナースでは、訪問看護の業界予測をテーマにしたコラムをシリーズでお届けします~

訪問看護ステーション業界の約60%を占めているのがスタッフ5名~20名の中規模ステーションです。

この規模感は、大規模ステーションのような強力な組織力には及ばず、小規模ステーションのような柔軟な対応力にも欠けると感じることがあるのではないでしょうか。

現在、多くの中規模ステーションは、経営者とスタッフが一丸となり、懸命に努力を重ねながら成長を遂げてきました。しかし、5年後を見据えると、状況はさらに厳しさを増すと予想されます。

人材不足の深刻化、競合の増加、さらには報酬改定による収益構造の変化――こうした課題が次々と押し寄せる中で、事業の持続と発展を目指すには、現状のままでは不十分かもしれません。

限られた資源の中で、多様化する利用者ニーズに応え、優れた人材を確保し続け、変化する環境に適応していく。そのために、中規模ステーションが取るべき鍵となるのが、「明確なポジショニング戦略」です。

今回は、5年後も確実に成長を続けるための中規模ステーションのポジショニング戦略について解説します。

目次

訪問看護業界の60%を占める中規模ステーションは、スタッフ数5名~20名の規模

訪問看護業界の60%を占める中規模ステーション

令和5年3月に公益社団法人日本看護協会が発表した「2024年度 診療報酬・介護報酬改定等に向けた訪問看護実態調査」によると、従事者数総計(常勤換算)の割合は以下の通りです。

5人未満:27.3%

5~10人未満:40.6%
10~15人未満:16.2%
15~20人未満:6.0%

20~25人未満:2.7%

25人以上:3.4%

これによると、5~20人未満の中規模の訪問看護ステーションは全体の60%超を占めていることがわかります。

また5人未満の小規模ステーションは27.3%、20人以上の大規模ステーションは6.1%となっています。

業界の発展に欠かせない中規模ステーションの役割

業界の発展に欠かせない中規模ステーションの役割

前述の通り、中規模ステーションは全体の約60%を占めています。これは、訪問看護サービス全体の供給量の多くを中規模ステーションが担っていることを示しています。

もし中規模ステーションが経営難に陥り、事業を縮小・閉鎖する事態が相次げば、訪問看護サービス全体の供給量が大幅に減少し、都市部だけでなく、地方や中山間地域においても地域住民へのサービス提供に大きな支障をきたすことになります。

中規模ステーションは業界の発展に欠かせない以下のような重要な役割を担っています。

1. 地域医療における重要な役割

中規模ステーションは、大規模ステーションのような広域対応は難しいものの、地域に根差したきめ細やかな活動を行い、在宅療養生活を支える重要な役割を果たしています。

また、地域包括ケアシステムの推進においても、医療機関や介護事業所、地域包括支援センターなどと地域住民を繋ぐ架け橋として機能しており、その存在は地域医療に欠かせません。

2. 多様なニーズへの対応

中規模ステーションは、大規模ステーションほど高度な専門人材は多くないものの、基本的な訪問看護サービスに加え、一定の専門性を持つ看護師が在籍していることが多く、多様なニーズに柔軟に対応できる強みがあります。

例えば、認知症ケアやターミナルケア、リハビリテーションなど、地域で特に求められる分野に重点を置くことで、地域住民に選ばれるステーションとなっています。

各中規模ステーションが地域の特性に合ったサービスを提供することで、訪問看護全体の質向上にも大きく貢献できるでしょう。

3. 人材育成の可能性

中規模ステーションは、大規模ステーションのような体系的な研修制度を整える余裕はないものの、OJT(On-the-Job Training)を通じて現場で実践的なスキルを学ぶ機会を提供できます。

また、小規模ステーションに比べて規模があるため、複数の看護師が互いに切磋琢磨しながら成長できる環境も整っています。中規模ステーションが人材育成に積極的に取り組むことで、訪問看護業界全体のスキル向上や人材育成に大きく貢献する可能性があります。

4. 業界全体の活性化

中規模ステーションの健全な発展は、訪問看護業界全体の活性化につながります。

さまざまな特徴を持つステーションが、それぞれの強みを活かして競争することで、サービスの質が向上し、新たな取り組みが生まれることが期待されます。

また、中規模ステーションが成功モデルを示すことで、新規参入が促進され、業界全体のさらなる成長につながる可能性もあります。


これらの点を踏まえると、訪問看護ステーション業界の約60%を占める中規模ステーションの発展が、業界全体の未来に大きな影響を与えることがわかります。

したがって、中規模ステーションが直面する課題を解決し、その発展を促進することは、地域住民への安定したサービス提供や地域医療の質向上に加え、超高齢社会における日本の医療・介護体制を支えるために非常に重要な課題となります。

中規模の訪問看護ステーションが直面する課題

中規模の訪問看護ステーションが直面する課題

中規模訪問看護ステーションには、業界の発展や地域医療の質の向上に欠かせない役割があるにもかかわらず、現状は大規模ステーションと小規模ステーションが持つ優位性が保有できず、特有の複数の課題に直面しているケースが多くあります。

そしてこれらの課題は複合的に作用し、経営の安定を脅かし、結果として淘汰につながる可能性もあります。これらの課題について特に深刻な事項を具体的にみていきましょう。

1.管理者の負担増大~多岐にわたる業務と人材不足の悪循環~

中規模ステーションが抱える深刻な課題の一つは、管理者の負担が増大していることです。以下の要因がその原因となっています。

・業務範囲の広さ

中規模ステーションは、大規模ステーションのように各部門に専門の担当者を配置する余裕がないため、管理者は経営責任者としての業務(収支管理、事業計画策定、行政対応など)に加え、さまざまな役割を兼任しなければなりません。

これには人事・労務管理(採用、教育、労務管理など)、利用者管理(アセスメント、サービス調整、契約など)、多職種連携(医療機関、介護事業所、地域包括支援センターなど)、地域連携(地域活動への参加、関係機関との連携など)が含まれます。

多くの業務を一人で担うため、管理者の負担やストレスが増加します。

・人材不足の影響

看護師の不足が深刻な中規模ステーションでは、管理者が現場の看護業務にも従事せざるを得ないことが多く、これがさらに業務負担を増大させます。

このような状況では、管理業務と現場業務を並行することで、心身の疲労が蓄積し、離職のリスクが高まります。

・情報共有の難しさ

中規模ステーションでは、適切な情報共有システムやツールが整備されていないことが多く、管理者とスタッフ間で情報伝達が滞ることがあります。

これにより、業務効率が低下したり、情報伝達ミスが発生したりして、最終的に利用者へのサービス提供に支障をきたすことになります。このような状況が続くと、管理者の心身の疲弊がさらに深刻化します。

2.マネジメントの難しさ~組織体制、人材育成、コミュニケーションの課題~

マネジメントの難しさ

中規模ステーションは、大規模ステーションのように体系的なマネジメント体制を構築するのが難しく、また小規模ステーションのように柔軟で臨機応変な対応も取りづらいため、以下のような課題が生じています。

・組織体制の曖昧さ

役割分担や責任範囲が明確でないと、業務が重複したり、責任の所在が不明確になったりすることがあります。これにより、組織運営が混乱し、業務効率が低下するだけでなく、スタッフ間に不信感や不満が生じることがあります。

・人材育成の不足

大規模ステーションのような体系的な研修制度を整える余裕がないため、OJT(On-the-Job Training)が中心となります。しかし、明確なキャリアパスが示されないと、スタッフのモチベーションが低下し、結果的に離職のリスクが高まります。

・コミュニケーション不足

スタッフが増えると、小規模ステーションのように管理者とスタッフ、またスタッフ同士の密なコミュニケーションを取ることが難しくなります。その結果、情報共有や意思疎通が不足し、業務の連携不足やヒューマンエラー、利用者とのトラブルの原因となることがあります。

3. 複数退職によるダメージ~事業継続の危機と地域医療への影響~

三つ目の深刻な課題は、複数の看護師が同時に退職するケースによる影響です。中規模ステーションは以下のようなダメージを受けることがあります。

・人材流出の連鎖リスク

スタッフの退職は、他のスタッフに不安を与え、連鎖的な退職につながる可能性があります。特に、管理者が退職するとスタッフの動揺を招きやすく、大規模な人材流出に繋がるリスクが高まります。

・人材紹介会社の活用による支出やミスマッチ

複数人の退職があった場合、中規模ステーションが大規模ステーションに吸収される選択肢を選ぶこともあります。これにより、大規模ステーションは事業拡大を図る一方で、地域に根ざした中規模ステーションの存在が失われ、地域医療の多様性が損なわれる可能性もあります。

・大規模ステーションへの吸収によるマイナス面

複数人の退職があった場合、中規模ステーションが大規模ステーションに吸収される選択肢を選ぶこともあります。

これにより、大規模ステーションは事業拡大を図る一方で、地域に根ざした中規模ステーションの存在が失われ、地域医療の多様性が損なわれる可能性もあります。

・閉鎖による在宅療養生活への影響

複数人の退職が原因でステーションの閉鎖を余儀なくされることもあります。

閉鎖は訪問看護サービスの供給不足を引き起こし、地域住民の在宅療養生活に大きな影響を与える可能性があります。特に、代替となる事業所が少ない地域では、深刻な問題となるでしょう。

これらの要因が複合的に作用すると、中規模ステーションは経営不安定になり、淘汰されやすくなります。これらの課題を克服するためには、経営戦略の見直し、特に明確なポジショニング戦略の構築が不可欠です。

中規模訪問看護ステーションのポジショニング戦略とは

中規模訪問看護ステーションのポジショニング戦略とは

中規模訪問看護ステーションのポジショニング戦略とは、市場での立ち位置を確立するための方針であり、利用者、家族、ケアマネジャー、医療機関、地域包括支援センター、地域行政などの関係者に対して、自ステーションが提供する独自の価値を明確に伝えることです。

この戦略により、競合他社との差別化を図り、選ばれる理由を確立することを目指します。具体的には、「〇〇といえば、△△という価値を提供するステーション」という明確なイメージを浸透させることが求められます。

中規模ステーションは、大規模ステーションのような強力な組織力や豊富な資源を持たず、また小規模ステーションのように地域密着型で柔軟に対応することも難しいという課題があります。

そのため、競争力を高めるためには、明確なポジショニング戦略が不可欠です。

ポジショニング戦略が中規模ステーションの課題を解決し、成長につながる理由

ポジショニング戦略を活用することで、中規模訪問看護ステーションの課題を解決し、成長につなげることが期待できます。

その理由は、ステーションが提供する独自の価値を明確にし、関係者から「〇〇といえば、△△という価値を提供するステーション」と認識されることによって、選ばれる理由がはっきりするからです。

具体的には、以下の点が挙げられます。

1. 大規模ステーションとの差別化:独自の価値を提供することで選ばれる理由が明確に

大規模ステーションは、広範囲なサービスや高度な専門性、豊富な資源を持っています。

中規模ステーションがこれらの強みで直接対抗するのは難しいですが、ポジショニング戦略を活用することで、特定の分野に特化し、独自の特徴を強調することができます。

例えば、認知症や脳血管疾患、糖尿病、がん末期、小児、精神疾患などの特定の疾患や、リハビリテーション、看取り、緩和ケア、予防ケアなどのサービスに注力することで、その分野での専門性を高め、「〇〇(疾患名/サービス名)と言えば、△△(専門的なケア)を提供するステーション」というイメージを作り出し、大規模ステーションにはない独自の価値を提供できます。

2.小規模ステーションとの差別化:独自の価値を提供することで選ばれる理由が明確に

小規模ステーションは、利用者との密なコミュニケーションや柔軟なサービス提供を強みとしていますが、中規模ステーションは一定数のスタッフがいるため、小規模ステーションのような密接な関係を築くのが難しい面もあります。

しかし、ポジショニング戦略を活用すれば、組織力やサービスの幅を生かして差別化し、独自の価値を提供することができます。

例えば、複数のスタッフがいる利点を活かしてチームでのサービス提供や、複数職種の連携、緊急時の対応体制の強化など、小規模ステーションにはない体制を作ることで、「安心・安全な△△(質の高いチームケア/迅速な対応)を提供するステーション」というイメージを定着させ、安心感と質の高いサービスを提供できます。

これにより、小規模ステーションでは実現できない価値を提供し、選ばれる理由を明確にできます。

3.人材確保・育成の課題を、独自の価値を提供する魅力的な職場環境で解決

中規模ステーションは、大規模ステーションのような高待遇や研修制度を整えるのが難しく、小規模ステーションのような柔軟な経営体制を提供しにくいため、人材確保や育成に苦労しがちです。

しかし、ポジショニング戦略を活用し、特定の分野に特化することで、「〇〇(専門分野)で△△(キャリアアップ/スキルアップ)を実現できるステーション」というイメージを構築できます。これにより、魅力的な職場環境を作り、人材を引き付け、定着を促進できます。

専門分野を強化することで、看護師が自分の専門性を活かして働ける場を提供でき、スキルアップやキャリアアップを目指す看護師にとって魅力的な職場になります。

また、チーム制の導入や多職種連携の推進、情報共有の促進など、風通しの良い職場環境を整えることで、スタッフの満足度を高め、離職率を低く保つことができます。

4.管理者の負担軽減と組織運営の効率化を、提供する価値に基づいた明確な業務プロセスで実現

ポジショニング戦略は、管理者の負担を軽減し、組織運営の効率化にもつながります。ターゲットとする利用者層を明確にすることで、提供するサービス内容や業務プロセスがはっきりし、無駄な業務が減り、効率的に運営できるようになります。

また、ポジショニングを基にスタッフの役割分担を明確にすることで、業務の重複や責任の不明確さを防ぎ、スムーズな連携と効率的な業務運営が可能になります。

さらに、ポジショニングに基づいた情報共有体制を整えることで、管理者とスタッフ間の情報伝達がスムーズになり、業務効率の向上やミスの削減が実現できます。

5. 選ばれる理由の明確化とマーケティング効果の向上を提供する価値に基づいてメッセージを発信

ポジショニング戦略を活用することで、自ステーションが「何によって選ばれるのか」、つまり「どのような価値を提供するステーションなのか」が明確になります。これにより、効果的なマーケティング活動を行うことができます。

例えば、ターゲット層に合ったメッセージを発信することで、自ステーションの魅力をより効果的に伝えることができます。また、競合他社との違いを明確にすることで、自ステーションならではの価値を効果的にPRできます。

このように、ポジショニング戦略は、自ステーションの独自の価値を明確にし、関係者に選ばれる理由を示すことで、課題の解決と成長を促進します。

中規模ステーションのポジショニング戦略構築の5つのステップ

中規模ステーションのポジショニング戦略構築の5つのステップ

ポジショニング戦略は、中規模訪問看護ステーションが直面するさまざまな課題を解決し、持続的な成長を実現するための重要な鍵となります。

明確なポジショニングを確立することで、限られた資源を効果的に活用し、競合他社との差別化を図り、人材の採用と定着を促進し、地域社会への貢献を最大化することができます。

中規模ステーションがポジショニング戦略を構築する目的は、自ステーションが提供する独自の価値を明確にし、関係者から「〇〇といえば、△△という価値を提供するあのステーション」と認識されるようにすることです。これにより、選ばれる理由を確立することができます。

以下では、中規模訪問看護ステーションがポジショニング戦略を構築するための具体的な5つのステップを解説します。

<ステップ1>現状分析と目標設定

・内部環境分析

自ステーションの強みや弱み、提供しているサービス内容、スタッフのスキル、経営資源などを分析します。特に、大規模ステーションや小規模ステーションと比較して、どの点で優れているのか、または劣っているのかを明確にします。

・外部環境分析

市場のニーズや競合ステーションの状況(規模、サービス内容、ターゲット層など)、地域の特性(高齢化率、疾患の傾向、医療機関・介護事業所の状況など)を分析します。どのニーズが未対応か、どの分野に競合が少ないかを把握します。

・目標設定

ポジショニング戦略を通じて達成したい目標を具体的に設定します。例えば、「〇〇分野で地域No.1のステーションになる」や「〇〇という価値で地域住民から最も信頼されるステーションになる」など、定量的・定性的な目標を設定します。

<ステップ2>ターゲット層の明確化

分析結果をもとに、ターゲットとなる利用者層を明確に定義します。

年齢、疾患、生活状況、ニーズなどを考慮し、具体的なターゲット像(ペルソナ)を作成することが効果的です。例えば、「認知症の中重度高齢者とその家族」や、「家族が遠方に住んでおり、ひとり暮らしで介護度が高いがQOLを保ちたい」など、具体的なターゲット層を設定します。

また、「終末期を自宅で過ごしたいと希望する利用者とその家族」や、「脳血管疾患の後遺症を改善して職場復帰を目指す利用者」などもターゲットとして設定できます。

<ステップ3>提供する価値の明確化

ターゲット層のニーズと自ステーションの強みを組み合わせ、提供する独自の価値を明確に定義します。この価値は、競合ステーションとの違いを際立たせるもので、具体的に「〇〇といえば、△△という価値を提供する」という形で表現します。以下はその例です。

例1(認知症ケア)

「認知症ケアといえば、認知症ケア専門の看護師による、ご本人とご家族に寄り添う温かいケアを提供するあのステーション」

例2(地域密着型)

「地域密着といえば、地域の医療機関や介護事業所と連携し、地域住民の生活を支える安心のケアを提供するあのステーション」

例3(脳血管疾患リハビリ)

「脳血管疾患リハビリといえば、専門知識と豊富な経験を持つセラピストと看護師による、後遺症からの回復と日常生活の自立を支援するリハビリを提供するあのステーション」

例4(糖尿病療養支援)

「糖尿病療養支援といえば、糖尿病療養指導士などの資格を持つ看護師による、食事・運動療法などの生活習慣改善を支援するきめ細かいケアを提供するあのステーション」

例5(保険外の予防医療特化)

「保険外の予防医療といえば、健康維持・増進のための専門的なアドバイスと、個別のニーズに合わせた質の高い予防ケアを提供するあのステーション」

<ステップ4>ポジショニングの具体化

・ポジショニングステートメントの作成

定義した価値を簡潔に伝えるポジショニングステートメント(簡潔なメッセージ)を作成します。これにより、関係者に自ステーションの価値を明確に伝えることができます。

例1

「認知症でお困りのご本人とご家族に、専門知識と温かい心で寄り添い、安心と笑顔のある生活をサポートします。」

例2

「地域の皆様の健康と安心を支えるために、医療・介護機関と密に連携し、温かい真心こもったケアをお届けします。」

例3

「脳血管疾患の後遺症でお悩みの方に、専門的なリハビリテーションを通じて、再び自分らしい生活を取り戻すための支援をいたします。」

例4

「糖尿病と向き合う皆様に、専門的な知識と丁寧なカウンセリングで、健やかな生活を送るためのサポートをいたします。」

例5

「いつまでも健康でいたいと願う皆様に、科学的根拠に基づいた最適な予防ケアをご提供し、健康寿命の延伸に貢献します。」

・具体施策の検討

次に、定義した価値を実現するために、具体的なサービス内容や提供方法、体制などを検討します。

例えば、専門性を高める研修の実施や、多職種連携を促進するための会議の定期開催、ICTツールの導入など、実行可能な施策を具体的に計画します。

<ステップ5>情報発信と評価

・情報発信

作成したポジショニングステートメントや提供サービスの内容を、Webサイト、パンフレット、地域イベントなどを通じて、ターゲット層や関係者に積極的に発信します。

・効果測定と見直し

ポジショニング戦略の実施後、定期的に効果を測定し、必要に応じて戦略を見直します。関係者からのフィードバックを収集し、改善が必要な点は適宜改善していきます。

これらのステップを実行することで、中規模ステーションは独自の価値を明確にし、関係者から選ばれる理由をしっかりと示すことができます。

これにより、大規模ステーションや小規模ステーションとの差別化を図り、人材確保・育成、管理者負担の軽減、組織運営の効率化、マーケティング効果の向上などの課題を解決し、持続的な成長を実現できます。

まとめ

訪問看護ステーション業界の約60%を占める中規模ステーションは、地域医療において重要な役割を担っていますが、経営の安定が難しいという特有の課題があります。特に、管理者の負担増、マネジメントの難しさ、複数退職による事業継続リスクが深刻な問題となっています。

5年後を見据えると、人材不足や競合の増加、報酬改定など、環境はさらに厳しくなると予想されます。このような状況で持続的な成長を遂げるためには、明確なポジショニング戦略が不可欠です。

ポジショニング戦略とは、「〇〇といえば、△△という価値を提供するあのステーション」といった明確なイメージを関係者に浸透させ、選ばれる理由をはっきりさせる戦略です。これにより、限られた資源を有効活用し、競合との差別化を図り、人材の採用と定着を円滑に進め、地域社会への貢献を最大化できる可能性があります。

>保険外美容医療での看護師独立ストーリー

保険外美容医療での看護師独立ストーリー

石原看護師は、約1年前に美容エステと美容医療を組み合わせた独自メニューを提供する美容サロンを自宅で開業されました。
週に2回はクリニックに勤務しながら、子育てや家事と両立できるサロン運営を軌道に乗せています。

石原看護師がどのようにして時間や場所にとらわれない働き方を実現できたのか、その経緯、現在の状況、そして今後のビジョンについてお話をうかがいました。

無料でダウンロードできますので、看護師の独立にご興味のある方は、是非この機会にご一読ください。

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