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【管理者インタビュー】自分の人生を楽しみ大切にしながら、社会に役立つ仕事をする。そんな働き方ができる訪問看護ステーションをつくりたい

訪問看護ステーションで管理者として働きながら、近い将来、独立して自らステーションを立ち上げることを目指している呉井様。

現在の仕事、思い描く新しい形のステーション像をお聞きしました。

看護師になったきっかけ

——まず初めに、看護師になられたきっかけをお聞かせください。


高校時代は特にやりたいことがあったわけでもなく、看護師の専門学校に入ったのも、母親のすすめでした。母は病院で医療事務の仕事をしていて、ふだんから医療スタッフを身近に見ていまして。僕の性格を考えて「看護師に向いていると思う」と。

実際、向いていたんでしょうね。僕が働く姿を見て、妹といとこも看護師になりました。


——最初は病院勤務、そのときはどのような仕事をされていましたか。


はい。学校を卒業後に勤めた病院で地域包括ケア病棟に配属になり、主に、回復期、維持期の患者さんのケアを行っていました。その方たちの退院調整もしていたので、ケアマネージャー、生活相談員の方たちと関わる機会が多くありました。

その後、救急外来に異動になり、移ったとたんにコロナの流行が始まって、完全防護でひっきりなしに来る救急車に対応する、という経験もしました。


——〝いずれは訪問看護をやりたい〟という思いは、当時からあったのでしょうか。


はい。地域包括ケア病棟にいたときに、ケアマネさんたちと接することが多かったので、在宅看護がどういうものかを考える機会はありました。

あとは看護師1年目で出会った、病院の先輩看護師の影響ですね。仕事もきっちりやって遊びもとことん極める、ワークライフバランスをすごく大切にしていて、休みの日はサーフィンに行くという先輩がいたんです。

仕事をしながら自分の生活も大切にする生き方ってかっこいいな、とすごく憧れ、そこから僕もサーフィンを始めました。

その先輩も、病院を退職後は訪問看護の仕事をしています。先輩のようなライフスタイルを実現するには、訪問看護という働き方がいいんじゃないか、と考えるようになりました。

それからは、訪問看護に必要な知識や経験を身につけようと思っていたので、救急外来を経験できたのも良かったと思います。

いきなり独立するよりも、まずは経験を積むという選択

——その後、現在勤務されている訪問看護ステーションの社長である看護師さんとの出会いがあり、訪問看護の道に進んだんですね。


はい。最初から自分で訪問看護ステーションを立ち上げるか、まずは管理者としてすでにあるステーションで働くか、迷いました。

そのとき、墨田区でデイサービスの施設を運営されていた社長との出会いがあり、新たに立ち上げる訪問看護ステーションに勤務することになりました。

オープン前のFCM訪問看護ステーションすみだの事務所にて

(※オープン前のFCM訪問看護ステーションすみだの事務所にて)


——最初から独立せず、既存のステーションに勤務して、どんなことが良かったですか。


訪問看護ステーションは地域に根差したものなので、もともとデイサービスで地域とのつながりがある社長のもとで修業をするという選択は、正解だったと思います。

まったく知り合いのいない地域では、営業に行ってまず自分たちのことを知ってもらわないとならないので。

それに、それまで自分は医療の現場で働く〝プレイヤー〟という立場だけでしたが、経営的な数字や人の採用など、経営者の仕事を身近に見られたのは、貴重な経験です。

管理者としてスタッフのマネジメントも要領をつかむのに時間がかかったので、いきなり独立していたらあれもこれも大変だったと思います。


——管理者として、スタッフのマネジメントで心掛けているのはどんなことですか。


社長とスタッフの間にいる立場なので、〝聞き役〟となることを大切にしています。とにかく吐き出させること。飲み会、食事の場、あえてそういうところで会議をしたり、本音を言い合って関係を築き上げてきた、というのはありますね。

特に、同期入社の理学療法士、清水とは、しょっちゅう飲みに行って話をしています。

スタッフ定着のためにやってきたのは、そこかな(笑)。

僕と清水が入社してから、それまでやっていなかった忘年会もやるようになったそうです。


——理学療法士の清水さんとは、良いコンビのようですね。


そうですね(笑)。彼は母が勤めていた病院で働いていたんです。僕が病院を辞めて訪問看護に進むとき、「こういう人もいるよ」と紹介され、以来、一緒に働いています。

僕と同世代で、当時彼も「将来どうしよう」といろいろと迷っていた時期だったそうです。

新たなステーションの立ち上げを経験、ノウハウを学ぶ

——現在は、亀有に新たに開業したステーションの所長を任されたばかりですが、社長には「いずれ独立したい」という思いは伝えていますか。


はい。最初からそう話していました。だから「亀有にもステーションをつくる」という話が出たとき、サテライトではなく、新規店舗として僕に任せてくれたんです。「口出ししないから、申請から全部やってみて」と。


(※株式会社ふたばケアメディカル代表 石井社長と)

立ち上げのノウハウも学ぶことができ、将来的に独立する際にもこの経験が役に立つと思います。


——新規オープンからまだ日は浅いですが、どのようなステーションを目指していますか。


24時間365日対応、訪問リハビリ、セラピストが常駐、というのを強みとしています。世の中的にもいま、精神疾患の方が多いので、精神科に対応できることは大きなポイントですね。

僕自身は緩和ケア、終末期ケアに関わるための資格も取得しました。病院勤務のときに地域包括の職場にいたので、在宅での終末期の重要さも身をもってわかります。

地域によって、訪問看護は供給過多とも言われていますから、プラスアルファのサービスがないと、淘汰されてしまうと思っています。

いまはまだ、地域とのつながりをつくっている段階で、これからですね。


——現在のステーションには、清水様も一緒に移られましたね。


はい。清水のリハビリは、墨田のときからすごく好評で、すぐ予約が埋まってしまうんです。彼はガッツがあるし、人との関係の築き方が上手いなと思います。それはすごく大事なことで、訪問看護は人間力も大きく関わってきますね。

清水とは、今後も良き友人、兄弟のような存在で、そしてライバルのような存在でもありたいと思っています。

呉井さんと清水さん


——訪問看護に携わって約3年、この仕事の魅力ってなんでしょうか。


ライフスタイルを大事にする上で、病院勤務に比べたら自分で働き方を決められるのも魅力ですし、仕事面では利用様とそのご家族との関係が築けるところですね。

長く関わってきた方、緩和ケアで毎日のように訪問していた方、お元気だった頃のことも知っていて、だんだん衰弱していくのを見てきた方、いろいろな方に関わらせてもらいます。

お看取りのあと、「あなたで良かった」とご家族に言っていただき、救われたこともありました。

「あなたで良かった」とご家族に言っていただき、救われたことも

いま亀有に移ってからも、墨田のステーションで訪問していた方たちのことが気になって、「あの人どうしてる?」と様子を聞いたりしています。

でも、清水をはじめ、すみだ、かめありメンバーの存在があったから、ここまでやってこれたんだなと実感しています。

近い将来、自分が経営するステーション立ち上げに向けて

——独立開業を見据え、これからどう動いていかれますか。


いまは看護師でありながら、ステーションを維持するための修行をしているところです。

現在のステーションは社長がITに強いので、アプリの活用やSNSの発信も積極的にやっていて、そういうところは自分も取り入れたいと思っています。

あとは資金面の準備と、どの地域で開業するのがいいのか、というのも探っています。訪問看護はある程度の土地勘やつながりがないと厳しいので、それを踏まえて候補を考えていますが、サーフィンに行きやすい場所、というのもけっこう大きいです(笑)。

サーフィンに行きやすい場所、というのもけっこう大きいです(笑)。


——独立してご自分のステーションをつくるとき、大切にしたいことは何でしょうか。


訪問看護という働き方を目指したスタートは、ライフワークバランスを大切にしたい、という思いからです。

地域貢献のために訪問看護を、という理念ももちろん大切だけど、それだけではなく、看護師としていろいろな働き方があるということも実践して見せていきたいです。

僕自身が多趣味なので、自分の人生を大切にする働き方、時間の使い方を実現しながら、「こんな働き方もある」「選択肢はいろいろある」ということを働くスタッフに伝えて、それぞれの目的を持った看護師を〝プロデュース〟するようなこともやりたいですね。


——ちなみに、趣味はなんでしょうか。


サーフィン、スノボ、サバゲー、子どものころからよく父に連れていってもらっていたキャンプ、登山(今年は、富士山に8回登頂されたそうです!)車、最近は大型バイクの免許も取りました。あとは美容も好きですね。


——すごい!かなりアクティブに動かれているんですね。


そうですね。常に自分の心を満たしてないと何も始められないと思っています。

いい仕事をするために趣味をしているといってもいいかもしれません

いい仕事をするために趣味をしているといってもいいかもしれません(笑)。

スタッフが人生でやりたいことを実現できる、時代に合ったステーションを

——独立後、どんなステーションをイメージしていますか。


僕自身コーヒーが好きなので、カフェ併設は絶対に実現したいですね。

地域の方にも利用してもらい、ステーションのスタッフたちと交流できる場所を作りたいと思っています。

あとは、働く看護師や療法士たちスタッフが、それぞれの人生でやりたいことをやれるステーションにしたいです。

働く看護師や療法士たちスタッフが、それぞれの人生でやりたいことをやれるステーションにしたい

ライフスタイルに合わせた働き方、趣味との両立、それを実現することで、利用者様により良いサービスの提供が可能になると思います。

個人的には、大型バイクの免許を取ったので、バイクで訪問に行きたいですね。

バイクで来る看護師って、カッコよくないですか?(笑)。

——バイクで訪問、それは新しいスタイルですね。


一緒に働くスタッフは、どんな人に来てほしいですか。


人間的には、明るい方がいいですね。看護の技術も大事ですが、スタッフの人柄はステーション内の雰囲気にも関わるし、雰囲気の良い悪いは、周囲の人にも伝わるので。

「訪問看護が未経験で」と、ためらう人もいますが、「未経験でもなんとかなる」と伝えたいです。先輩スタッフが同行して、現場で学んでもらうので大丈夫です。

あとは、僕の働き方を見て「一緒に働きたい」と思ってくれる人がいたらうれしいですね。ライフスタイルを見て共感してもらえたらいいかな、と思います。〝看護観が素敵だな〟と思われる要素はまだないので(笑)。


——お話を伺っていて、アメリカのパタゴニアという会社を思い出しました。

パタゴニアは、社員の生き方を尊重し、就業時間中でも良い波が来たらサーフィンに行っても構わない、ただし社員はそのために効率的に働き、当然自分の仕事に責任を持つ、ということを当たり前にやっている、そんな会社です。

これからのステーションには、呉井さんのような柔軟さが必要だと感じます。

理想の看護を目指して熱く、という感じではなく、すごく自由でのびやかですよね。


呉井様:ゆとり世代だからですかね(笑)。

ゆとり世代だからですかね(笑)。

サーフィンをやっていると、1時間波を待っていて良い波って1回、2回、来るかどうかなんですよね。だから、グイグイ行くというよりは状況に合わせて柔軟に、と思っています。

人からは「なんでモチベーション保てるの」って聞かれるんですけど、モチベーションで生きているわけではないです。そのためか、ストレスも感じません。

もちろん、思うようにいかないこともあるし、人から言われてショックなこともありますけど、何かあっても人のせいにはしないようにしています。

人を変えるよりも、自分が変わるしかないと思っています。


——これからの時代の訪問看護、どんなステーションになるか、とても楽しみです。

呉井さん、本日はどうもありがとうございました。

呉井さんが働く事業所はこちら

事業所名 FCM訪問看護ステーションかめあり
サービス種別 訪問看護ステーション
住所 〒125-0061
東京都葛飾区亀有5-26-8
お問合せ TEL:03-5856-3117
ホームページ https://futabacm.com/houkan/kameari/
呉井さんのXアカウント https://twitter.com/TAMACHANnoTAMA

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訪問看護は未経験であり自己資金もゼロでしたが、ある経営者さんとの出会いにより新規立ち上げの訪問看護ステーションで将来の独立を前提に管理者として働くことが決定しました。 現在年収600万円を得ながら経営ノウハウを習得し、3年後の独立、理想の訪問看護ステーション作りに邁進されています。

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