在宅医療ドクターズコラム(10)適度な運動が美容にも健康にも大きなプラスになる理由

こんにちは、恵比寿こもれびクリニックの院長、西嶌暁生です。

人生100年時代と呼ばれる社会において、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ためには「健康」が不可欠です。

このコラムでは、在宅の現場で日々奮闘している訪問看護師の皆様に向けて、時間や労力、コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」をご紹介していきたいと思います。

本日は、美容、そして健康寿命を延ばすための大切な要素となる「適度な運動」をテーマにお伝えします。

なぜ適度な運動が美容にも健康にも大きなプラスになるのか

日常的に行う運動が美容にも健康にも大きなプラスであることは、科学的にもはっきりしています。

動脈硬化がもとで起こる病気や生活習慣病、認知症、がんなどのリスクを下げ、便秘の解消、睡眠障害やうつの改善をするなど、医学的に認められている効果がたくさんあります。

といって、いきなりハードな筋トレを始めろと言うつもりはありませんので、安心してください。

いきすぎた運動は、おすすめしません

激しい運動をしすぎると、活性酸素が発生してしまいます。

私たちが呼吸で取り入れた酸素の一部は、外部からの刺激を受けて活性酸素に変化しますが、過剰な活性酸素は、がんや心血管疾患、生活習慣病などさまざまな病気の原因となるのです。

また、肌細胞を攻撃し、肌の老化を加速させることにもつながります。

いきすぎた運動は、ストレス、紫外線や放射線、汚れた空気、喫煙習慣などと同様、活性酸素をつくり出す刺激になりますから、1回のトレーニングは1時間以内に収めてください。

適度な運動とは

適度な運動とは、適度な有酸素運動のこと。過剰な活性酸素をつくり出さず、体にダメージを与えず、それでいて呼吸循環器系の機能をアップさせることができます。

とはいえ「よし、じゃあ週3回はジョギングするぞ」などと意気込むのは挫折のもとです。

忙しい毎日を送る上にプラス、わざわざ時間を割いてとなると、ハードルが高くなってしまいます。

何度も言いますが、今の生活をいきなり大幅に変えるのは負担が大きく、長続きもしません。今ある生活習慣に少しプラスしてできるくらいのことから始めましょう。

有酸素運動の代表格といえばウォーキングですよね。

この場合「通勤中にエレベーターやエスカレーターを使わずに階段を上る」「仕事帰りにひと駅手前で降りて歩く」など、日常生活に組み込むのがおすすめです。

私は通勤中は駅の階段を使うようにしていますが、朝の混雑する時間帯などは、エスカレーターを使うより早く移動できるくらいです。

ウォーキングのスピードとしては「もし隣に人がいたとしたら会話ができるくらい」の早歩きを心がけましょう。

わが国における身体活動・運動分野のガイドライン

さいごにわが国における身体活動・運動分野のガイドラインをご紹介します。

今年2024年1月に厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を発表しました。

このガイドは、2013年に発表された「健康づくりのための身体活動基準2013」の改訂版です。名前も「基準」から「ガイド」に変わり、各個人の違いを考慮して自分に合った活動を選ぶことが推奨されています。

また、この10年間で機械化・自動化の進展や移動手段の発達など、社会情勢が変化しました。これに伴い、デスクワークや座ったり寝転んだりしてテレビやスマートフォンを見る「座位行動」という概念が新たに設定されました。

「座りすぎを避け、今より少しでも多く身体を動かす」ことも方向性として明記されています。

身体活動(生活活動・運動・座位行動)の概念図

身体活動(生活活動・運動・座位行動)の概念図

出典元:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023

このガイドは、図やツールが見やすく作られており、医療従事者にとっても使いやすい内容になっています。

皆さんもこのガイドを参考にして、日常生活の中で身体活動や運動を意識して実践する時間を増やしてみませんか?

>保険外美容医療での看護師独立ストーリー

保険外美容医療での看護師独立ストーリー

石原看護師は、約1年前に美容エステと美容医療を組み合わせた独自メニューを提供する美容サロンを自宅で開業されました。
週に2回はクリニックに勤務しながら、子育てや家事と両立できるサロン運営を軌道に乗せています。

石原看護師がどのようにして時間や場所にとらわれない働き方を実現できたのか、その経緯、現在の状況、そして今後のビジョンについてお話をうかがいました。

無料でダウンロードできますので、看護師の独立にご興味のある方は、是非この機会にご一読ください。

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