こんにちは、恵比寿こもれびクリニックの院長、西嶌暁生です。
人生100年時代と呼ばれる社会において、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ためには「健康」が不可欠です。
このコラムでは、在宅の現場で日々奮闘している訪問看護師の皆様に向けて、時間や労力、コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」をご紹介していきたいと思います。
本日は、インナーケアに必要な「腸活」の第3回として、しっかり排泄できるようにする方法のひとつファスティング(断食)についてお伝えしたいと思います。
ファスティング(断食)とは
毒素や老廃物の約75%は便から排出されます。これを効果的に行う方法の一つが「ファスティング(断食)」です。
ファスティングとは、一定期間、食事を制限したり全く食べないことを指します。英語の「fast(断食する)」が語源で、古くから宗教的な行為として行われてきました。
近年では、ダイエットや健康維持、美容など、様々な目的で実践する人が増えています。ファスティングにより、日常的に消化活動で酷使されている胃腸を休めることができます。これにより、代謝に関わる肝臓や腎臓の機能が高まり、便や尿の排泄が促進されます。
ファスティングの種類
ファスティングにはいろいろなやり方があり、なかには数週間にわたって厳格に行うものもあります。
断食期間の長さや食事制限の仕方によって、大きく以下の種類に分けられます。
ファスティングの種類
12時間ファスティング:夕食から翌日の昼食まで、約12時間何も食べない方法
16時間ファスティング: 1日のうち16時間何も食べず、残りの8時間で食事を済ませる方法
1日(24時間)ファスティング: 1日何も食べない方法
2日~3日ファスティング:数日間何も食べない方法
週末ファスティング:週末に食事を制限する方法
水だけのファスティング:一定期間、水以外の飲み物や食べ物を摂取しない方法
ファスティングの方法
酵素ドリンク: 酵素ドリンクを飲みながら断食を行う方法
スープ断食: 野菜スープのみを摂取する方法
完全絶食: 水のみを摂取する方法
※長期間の水だけのファスティングは、医師の監督が必要です。体に負担をかける可能性があるため、慎重に行うことが重要です。
気軽にできる12時間ファスティング(断食)がおすすめ
私がおすすめしたいのは「12時間ほど固形物を摂らない」という比較的気軽にできる方法です。
固形物さえ食べなければ、水は気にせず摂ってOK。もちろん、アルコールは控えてくださいね。
できれば、定期的にデトックスを行えるよう、週に一度は実践したいところです。
おすすめは、夕食を早めにすませて次の朝食まで何も食べず、約12時間の間隔をあけること。
「同じ半日あけるなら、朝食を抜いてもよいのでは?」と思われるかもしれませんが、ファスティング中は空腹感が気になったり、頭がぼんやりしたりする可能性があります。
日中に会議やハードワークを予定している会社勤めの人など、万が一でも仕事に支障をきたさないよう、あとは寝るだけというタイミングの食事を抜くことを推奨しています。
私も日中に手術を控えている日などは、朝食はしっかり摂るように心がけています。
私の体感では、ファスティングの翌日は体が軽く、非常に調子がいいですね。子供とも元気よく遊べますし、思考がクリアになって仕事もはかどります。
12時間ファスティングの効果
消化器官の休息
消化器官は、常に食物を消化するために働いています。12時間断食することで、消化器官が休む時間を与え、働き過ぎによる負担を軽減することができます。
また12時間断食により消化酵素が回復し、消化機能が向上することが期待できます。
摂取カロリーの制限・血糖値の安定
食事の時間帯を限定することで、自然と摂取カロリーが減少し、体重減少に繋がります。
また断食は、血糖値を安定させ、脂肪燃焼を促す効果が期待できます。
代謝の改善
食と食事のサイクルを繰り返すことで、体がエネルギーを効率よく消費しようとし、基礎代謝が向上する可能性があります。断食は、インスリンなどのホルモン分泌に影響を与え、代謝を活性化させると考えられています。
さいごに
12時間ファスティングは、消化器官の休息、体重管理、代謝の改善など、様々な健康効果が期待できる食事法です。
しかし、個人差があり、全ての人に当てはまるわけではありません。ご自身の体質や体調に合わせて、無理のない範囲で行うことが大切です。