いろいろナースでは、「訪問看護によるナーシングホーム」をテーマにこれまで、その必要性から開設方法、注意点など様々な角度から考察してきました。
今回は、24時間体制で看護師が常駐し、医療ケアと老人ホーム特有の手厚い介護が受けられる「ナーシングホーム」の強みについて、具体的な事例をもとにご紹介します。
ナーシングホームの持つ可能性~脳幹出血からの回復の軌跡
Tさん(50代男性)は、昨年夏に脳幹出血で倒れ、病院に搬送されました。
病院では、医師から植物状態を宣言され、自宅では介護できないことから施設を探されナーシングホーム「ケアリー」に入居されました。
入居当初は、寝たきりの状態で意思の疎通すら難しく、ご家族から「もう、これ以上何もできないかも…」そう思われていたTさん。
しかし、ナーシングホームのスタッフたちの温かい励ましと、きめ細やかなケアのもと、少しずつ、そして着実に回復していきました。
気道切開や胃ろうが必要な状態から、医師も驚くほどの回復を見せ、歩行に向けてのリハビリができるまでになりました。
そして、見事、ご自宅に帰るという目標を達成されました。
Tさんとケアリースタッフ
ケアリーがなければ、夫の劇的な回復はありえませんでした
それでは、退所後、Tさんの奥様より頂いたケアリーへの感謝と喜びのお手紙をご紹介させていただきます。
夫は昨年の夏、脳幹出血で倒れて、医師より植物状態を宣言されました。
倒れて2週間後、家族ともども打ちひしがれ、 心ボロボロの状態でケアリー岐阜佐波さん (ケアリー彦根字尾さんが開所前だったので最初の数週間は岐阜の方でお世話になりました) に到着しました。
まず、病院とは違う、アットホームな雰囲気にほっとしました。夫は、温かいお風呂にいれてもらって気持ちよかったのでしょう。
肌にも生気が戻り、 やっと人心地ついたような穏やかな様子に変わりました。
看護師さん、介護士さん、療法士さん、 各種専門の皆さんが次々と訪れて、明るく冗談をいいながら、しきりに意識のない夫に話しかけてくれていました。 「ハンサムね~」といわれて夫は咳き込みました。
(後になって、感情が動くときに咳き込むことがわかりました。)
「奥さん、旦那さんちゃんと聞いていらっしゃいますよ。 反応されてる。」と言われて、ありがたくて涙が出てきたのを覚えています。
経験豊かな皆さんが、その時の夫にベストの声かけをしてくださっていました。 ショック状態の家族にはとてもできないことでした。
ナースコールを押して駆けつけてきて頂く度に、さりげなくもらう優しい励ましの言葉に、夫も私もどれだけ勇気づけられたことかわかりません。
「ああ、2人だけではどうにもならなかった。 皆さんに助けていただいている。」としみじみ思いました。
ケアリーの皆さんはとにかく優しく、 朗らかです。
楽しい冗談をとばしながら、てきぱきと細かい困りごとを解決してくれて、2人だけでは鬱々としがちな部屋が一気に花が咲いたように明るくなります。
皆さんのほがらかな笑い声に、いっきに救われたような気持ちになります。
数年前に、祖母のために施設を探したことがありました。
納得のいく施設にたどりつくまでに3か所を移りました。 その時に探すコツとして見つけた法則は、 「スタッフに笑顔があるか」でした。
ケアリーさんでは、玄関の外までほがらかな笑い声が響いてきて、思わず微笑みながら扉をあける、ということがよくあります。 私達はなんてラッキーなんだろうといつも思います。
そしてなんといっても素晴らしいのは、 ケアリーさんの「家族の気持ちに寄り添ってくれる姿勢」 です。
家族として患者にやってあげたいこと、その願いをかなえられるように最大限の努力をしてくれます。
最初のころはとにかく夫のそばにいたかった・・・簡易ベッドに布団まで用意して願いをかなえてくれました。
岐阜から彦根宇尾さんに移った後は、ほぼ毎日通わせていただきました。このご時世に、 面会時間制限なしで快く受け入れてくれる施設に出会えたこと。それ自体が奇跡のようです。
胃ろうに手作りの食事を入れたいという願いにも (突飛な願いで戸惑われたことと思います。)
医師の許可が取れたときは一緒に喜んでくれて、いろいろサポートくださいました。
毎昼食と夕食を手作り食で胃ろうから入れ始めて、頑固な便秘が解消され体調が良くなるのがわかりました。
夫の様子を見た、 脳外科出身の看護師さんが、積極的に主治医に働きかけてくれて、リハビリへの道が開けました。
すべてがベストタイミングで進みました。 気道切開を外すための転院が決まったとき、寒い冬の駐車場まで半袖で走り出てきて、 良かったですね! と手を取ってくださった看護師さん。あの光景は一生忘れられません。
その他、 日常に起きる、 家族としての様々な不安も、その都度、 施設長さん、 看護師さん達が、じっくり時間をかけてきいて一緒に解決策を探してくれました。
本当にありがたく、心から安心できました。
夫の自宅療養が決まってからは、リハビリ担当の方々が自宅まで来て、 福祉用具の検討、今後に向けてのリハビリ計画など、 親身になって一緒に考え、退所にむけてのプランを立ててくださいました。
最後まで、徹底して、 私達のために何ができるかという姿勢を貫いてくださったことに感謝でいっぱいです。
最近になって、ホームページを見て、 どのような思いで、 ケアリーがつくられたのか、 社長の思いを知りました。
ご自身のお母さまの時にとても悲しい悔しい思いをされて、 後に続く人たちのために理想の施設をつくりあげてくださったのですね。
今の医療業界の状況下、 様々な困難や想像できないほどのご苦労があったことと思います。
熱い情熱を現実化してくださったことに感謝で一杯です。
ケアリーがなければ、夫の劇的な回復はありえませんでした。
夫の回復は目覚ましいものでした。
植物状態だったはずの夫は、ケアリーさんに入所して数日で、どこが痛いかを目の開け閉めで教えてくれるようになりました。
すごいすごい!と褒められて俄然ヤル気を出した夫は、右手をわずかに動かすようになり、軽くうなずいて返事をしてくれるようになりました。
私がしばらく留守にして戻ってきたときに、「奥さんを驚かせましょうよ」と皆さんに励ましてもらい練習した成果で、手をふってバイバイしてくれたのをみて涙がとまりませんでした。
その後は、医師も驚く回復ぶりで、リハビリ病棟に入院し (ケアリーの皆さんの絶妙なサポートで実現しました。) 気道切開も胃ろうも外し、普通食を食べ、 歩行に向けてのリハビリができるまでになりました。
これは夫の規模の脳幹出血では珍しいことだそうです。
そしてこの夏、 ついに自宅療養となりました。 ケアリーさんにお世話になって1年足らずです。
傷ついて打ちひしがれた夫と私達家族は、ケアリーさんの温かいゆりかごで、癒され、励まされて、元気をとりもどしました。
ケアリーの皆さんに、 家族・親族一同より心からの感謝を申し上げます。
また、もっと元気になって、 ご挨拶に伺うのを楽しみにしております。
どうぞ皆さんお元気で、これからもケアリーさんがますます素晴らしい場所となり、幸せな家族が増えますように!
本当にありがとうございました!
Tの妻より
まとめ
今回は、24時間体制の医療ケアと、充実した介護サービスを持つ「ナーシングホーム」の強みについて、具体的な事例をもとにご紹介しました。
脳幹出血で倒れ、一時は意思の疎通すら難しかったTさんは、ケアリーでの療養を通して、見事に回復を遂げられました。
早期退院が求められる現代において、退院後や自宅での介護が難しい方やご家族にとって、「ナーシングホーム」は、とても大きな支えとなります。
今後の事業展開としてナーシングホームを検討されている訪問看護事業者様の参考になれば幸いです。
今回ご紹介したナーシングホーム「ケアリー」舩見代表のインタビュー記事はこちらからご覧いただけます。
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