看護師のための訪問看護独立・起業術:失敗しないための3つのポイント

訪問看護ステーションの経営に興味がある方でも、「起業や開業にはどのようなスキルが必要か分からない」と思う方は多いでしょう。

また、将来的に訪問看護で独立や起業を考えて情報を集めている人々でも、「失敗した場合の対処法は?」「自分だけで事業を続けられるか不安…」と不安を感じることもあるでしょう。

このコラムでは、訪問看護ステーションの経営がうまくいかない3つの理由や、起業に失敗する看護師の3つの特徴、成功するための3つの対策について説明します。

また、将来、経営者を目指す看護師におすすめのハーベストプランについても紹介しています。起業の準備を本格的に始める前に、ぜひチェックしてみてください。

訪問看護ステーションの経営が失敗する3つの原因

(1)資金繰りの悪化による倒産

資金繰りが悪化する原因の一つは、長期間にわたって赤字が続くことです。売上が低迷し、収支が長期間にわたってマイナスになると、支出が増える一方で資金不足が生じます。

訪問看護の事業において、売上が減少する要因にはいくつかの理由が考えられます。

一つは、利用者を確保できていないことです。

利用者が足りない状況では、収入が十分に確保できず、資金繰りが悪化する可能性が高まります。また、利用者数が多くても、各利用者から得られる収入が低い場合も資金に余裕が持てないことがあります。

さらに、医療保険を利用する終末期の利用者の割合が高い場合、その利用者が亡くなることで急激に売上が減少する可能性も考えられます。

(2)看護師不足・組織崩壊による倒産

訪問看護ステーションはに看護師が中心となって活動をおこなう組織ですが、在宅医療に必要な訪問看護師の数が足りておらず、求人市場では看護師側が有利な状況となっています。

看護師には、幅広い選択肢があり、求人も多いため、自らが働いているステーションにおいて働く環境が悪いと感じれば簡単にほかへ転職してしまいます。

こうした状況から、看護師の確保や定着を図るために必要な紹介料等の人件費が高騰し、採用コストも増加しています。これにより、経営に大きな圧力がかかることとなります。

それでも訪問看護ステーションの運営を維持するために必要な常勤換算で2.5人以上の看護師を確保できているうちは良いですが、このラインを下回り、新たな看護師を採用できない場合は廃業に至ってしまいます。

(3)集客力不足や営業力不足による倒産

どのような事業であっても、適切な営業や集客が行われない場合、売上の見通しが立たず、最終的には倒産のリスクを抱えることになります。訪問看護ステーションもこの点において例外ではありません。

これまで病院で働いてきた看護師は、営業のスキルやノウハウを得る機会が限られています。そのため、営業に関する知識や経験が不足していることが少なくありません。

そのため効果的な営業活動を行うことが難しく、結果として利用者を獲得するのが難しい場合があります。

利用者の獲得ができなければ、売上が増えず、資金が足りなくなり、最終的には経営の持続が難しくなり、廃業の選択を迫られることがあります。

起業に失敗する看護師の3つの特徴

独立・起業に失敗する看護師には、共通の特徴があります。ここでは、起業がうまくいかずに廃業してしまう看護師の特徴について解説します。

(1)起業の目的が明確でない

起業する際、なぜその事業を始めるのか、どのような目的を持っているのかが重要です。しかし、目的があいまいで、何のために起業するのかがはっきりとしていない場合、成功する確率は低くなる傾向があります。また、「起業や独立することそのものが目的」といった形で、手段を目的としてしまう場合も同様です。

起業はあくまで手段であり、本質的な重要な点は、起業して何を達成しようとしているのか、何を提供してどのような価値を提供するのか、ということです。

目的がはっきりしていないまま、単に起業することに焦点を当ててしまうと、その後の経営活動や事業展開において望んだ結果を得ることが難しくなる可能性があります。

特に訪問看護ステーションは、「ずっと続けていく前提の事業」であることを社会から期待されているという側面を持っています。

ですから起業にチャレンジする看護師は、目的を持ち、その目的に向かって戦略的に行動することが求められます。

明確なビジョンや目標がなければ、経営の方向性が定まらず、適切な判断が難しくなります。起業を検討する際には、なぜ訪問看護事業を始めるのか、どのような価値を地域や利用者に提供したいのかといった目的を明確にし、それを実現するための計画を立てることが重要です。

(2)相談できる相手がいない

起業の過程において、悩みや疑問、課題が発生することは避けられません。しかし、そのような状況で周囲に相談できる相手がいない場合、失敗する可能性が高まります。自己判断だけで進めてしまうと、主観が強まり、客観的な視点が欠けることに繋がりかねません。

人は自分の考えに偏りがちであり、自己判断だけでは全ての側面を見落としてしまうことがあります。起業に関する意思決定は、客観的な視点から判断することが重要ですが、相談相手がいない場合、その客観性が損なわれるおそれがあります。

自身のアイデアや計画を客観的に評価してくれるメンターを見つけることは、起業の成功に向けて非常に重要です。メンターは経験豊富な人物であり、その知識や経験を通じて的確なアドバイスや指導を提供してくれます。彼らの助言を通じて、自身のアイデアや戦略を客観的に評価し、改善するチャンスを得ることができます。

(3)資金計画の見通しが甘い

起業を成功させるためには、適切な資金計画が不可欠です。しかし、資金計画の見通しが甘い場合、事業の運営が困難になり、最終的には失敗に繋がる可能性があります。具体的には、「売上はどの程度見込めるのか」「どのくらいのコストがかかるのか」といった資金に関する計画を立てないまま進めてしまうことが問題です。

起業において、売上目標の設定は長期的な視点で行うことが重要です。過度に楽観的な見通しを持ってしまうと、実際の売上が期待に達しない場合、資金不足に陥る可能性が高まります。また、コストに関しても厳密な想定を行うことが必要です。必要な設備や人件費、広告宣伝費などを的確に見積もり、資金計画に織り込むことが重要です。

資金計画の見通しを甘くしてしまうことは、予期せぬトラブルや困難に対処する能力を削ぎ、事業運営を困難にします。計画的な資金管理は、事業が順調に成長し続けるための基盤となります。適切な資金計画を立てる際には、市場調査や競合分析を行い、現実的なデータを元に計画を策定することが大切です。

訪問看護での独立・起業で失敗しないための3つの対策

(1)経営ノウハウを身につける

経営ノウハウを身につけることは、起業を成功させるために欠かせない要素です。経営者として、事業を成長させ、収益を拡大させるためには、具体的な戦略を立てて効果的な行動を起こす必要があります。これには、どのようにして新規の顧客を獲得するか、どのようにして既存の顧客を大切にし続けるかなど、戦略的な視点が求められます。

また、単に売上を追い求めるだけでなく、収入と支出のバランスを常に意識し、健全な経済的基盤を築くことも重要です。適切な投資判断を行い、必要な支出と効果的な収益をバランスさせることで、持続可能な事業を築くことが可能となります。

経営ノウハウを身につける方法としては、経営に関する書籍やオンラインコースを学ぶこと、経営者や起業家との交流を持つこと、実際の事業経験を積むことなどが挙げられます。自身の知識とスキルを高めることで、課題や困難にも対処できる能力を身につけることができます。

経営ノウハウを習得することは、訪問看護での独立・起業の成功に向けての重要なステップです。適切な計画と戦略を持ち、経済的な健全性を保ちつつ事業を展開することで、持続的な成長と成功を実現することが可能です。

(2)最初は出来るだけ出費を抑える

起業を成功させるためには、資金の使い方に注意を払い、無駄な出費を最小限に抑えることが非常に重要です。特に最初の段階では、過剰な投資を行わずに、可能な範囲で事業をスタートさせることが肝要です。

事業を立ち上げる前段階では、将来の売上や利益が不確かな状態です。このため、初期投資の際に過度な融資や借金をしてしまうことは慎重に考える必要があります。過度な借入によって初期費用をまかなおうとすると、将来的に資金不足に陥るリスクが高まります。

(3)相談相手やメンターを作る

訪問看護での独立・起業において、成功するためには孤独な道を進むのではなく、信頼できる相談相手やメンターを持つことが重要です。こうした人々の助言や経験は、あなたの事業運営において非常に貴重なものとなるでしょう。

まず、先輩の経営者や業界関係者と知り合い、彼らとの関係を築くことが大切です。彼らは過去の経験から得た知識やノウハウを持っており、あなたの疑問や課題に対して有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。

訪問看護の起業においては、最初は業務を自分一人でこなすことが多いかもしれません。しかし、事業が成長し拡大していくと、全てを個人で処理するのは難しくなることがあります。こうした状況で「大変だ」「苦しい」と感じる前に、他人に助けを求める選択肢を持っておくことが重要です。

人に相談したり助けを求めたりすることは、弱さを示すのではなく、知恵を借りる賢明な選択です。相談相手やメンターを持つことで、問題に対する新たな視点やアイデアを得ることができ、失敗を未然に防ぐことが可能です。信頼できる人々とのつながりを大切にし、共に成長するパートナーシップを築いていくことが、訪問看護の独立・起業の成功に向けての重要な一歩となるでしょう。

【初期投資0円】最小限のリスクで独立・起業に挑戦できます。

もし資金不足がネックで起業を思い悩んでいるのなら、いろいろナースのハーベストプランを利用する方法があります。

ハーベストプランは、独立起業を目指す看護師に、給与をもらいながら新規開業の訪問看護ステーションで管理者として3年などの一定期間経営を学び、経営者としての多くの収穫を得て、安全に失敗リスクなく訪問看護ステーションで独立してもらうプランです。

初期投資0円からスタートし、訪問看護ステーションでの独立・起業に関わるリスクを最小限に抑えつつ、チャレンジすることができるのがいろいろナースのハーベストプランの特長です。

さらに、このプランはフランチャイズや代理店契約とは異なり、加盟料などは一切必要ありません。

経営ノウハウ・マネジメントスキルが身につきます

ハーベストプランなら訪問看護ステーションの管理者業務を通じて、経理やマネジメントスキルを磨くことが可能です。売上や予算などの財務情報を取り扱う機会が多く、ビジネスの側面を深く理解することができます。

訪問看護ステーションの目標を設定し、スタッフと共有しながら進捗を管理することで、自然とマネジメントスキルが身につく環境が整っています。

さらに、看護師や療法士といったスタッフのトレーニングやマネジメントに関わることで、キャリアに役立つスキルを養うこともできます。

いつでも相談できる本部のサポート体制

いろいろナースのハーベストプランには、管理者や看護師を綿密にサポートする体制を整えており、疑問や問題が生じた際には本部や他の訪問看護ステーションの管理者・経営者に相談できる体制があります。

このように報酬を得ながら経営を経験し、学ぶことで、起業後のリスクを最小限に抑えながら成長を遂げることができるのです。

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