こんにちは、恵比寿こもれびクリニックの院長、西嶌暁生です。
今年の7月より、看護師が独立に向けて美容医療の専門知識を学べる教育アカデミー「ヴィーナス(Be nurse)」が始まりました。多くの看護師が、独立を目指して学んでいます。
※ヴィーナス(Be nurse)についてはこちらをご覧ください。
本日は、美容医療での独立を考えている看護師の方々に向け、地方と都心で異なる美容医療ニーズ、そして訪問美容看護の新たな可能性についてお伝えします。
はじめに
私(西嶌暁生)は青森で浪人時代を過ごし、福井大学で医学を学び、つくばでの初期研修を経て、筑波大学の形成外科の医局に入局しました。
その後、医局の人事でいわきや松戸、筑波で働き、現在、東京の恵比寿で開業しています。そのため、田舎の医療も、都心の医療も身近に感じてきました。
そんな中で、美容医療あるいは自費診療を主とするクリニックでは、「地方」と「都心」での経営や診療スタイルには大きな違いが見られることを実感しています。
地方と都心の美容クリニックの比較
都心では、美容医療(あるいは自費診療)のみで成り立たせているクリニックも多いですが地方になると、ほぼ全例で保険診療も含めた医療をしなければいけません。
あるいは、たとえ美容医療がメインのクリニックだったとしても、地方の場合は対応する分野を広く取らなければいけません。
一方で、都心のクリニックだと「脱毛の専門クリニック」「鼻整形の専門クリニック」など、専門性(スペシャリティ)に特化させたクリニックがむしろ好まれることもあります。
ただ、これらは何も美容医療に限ったことではありません。
保険診療においても、地方では「総合診療」「家庭医」が必要とされている一方で、都心では細分化された「専門医」が必要とされている構図は変わりません。
都心は美容へ理解や知識のある患者さんが集まりやすい
都心部では、かなり特殊で高額な治療機器でも、コンセプトがしっかりしていれば、それを受けたいとやってくる患者数は地方に比べて絶対的に多く、時には、海外や遠方から来院して下さる患者さんもいます。
交通の便のよい都心部では専門性を高めることで、広域の患者さんが対象となる場合もあります。
また、都心の患者さんは、地方と比べると美容医療に対する心のハードルが低い印象があります。
都心を歩いていると、そこら中に美容クリニックがあるものですから。そのため、美容や自費診療の提案に対しても、理解が得られやすいです。
都心は価格競争が激しくなりやすい
一方で、都心ほど価格競争になりやすいのは事実です。
特に、ポピュラーで簡単な治療ほど、レッドオーシャンになります。そして、ひとたび価格訴求に陥るとクリニックは苦労します。
経済学で言われている様に、価格競争で生き残れるのは大規模な会社だけで、他は潰れてしまいます。
その結果、人件費や材料費を抑えざるを得ないので、正しくて誠実な医療を提供しにくくなってきます。
ただし一方で、高すぎる価格でも集患できないのも現実です。
地方は保険診療との兼業が多いので美容に避ける余裕が少ない
まず地方は、都心に比べて競争相手が圧倒的に少ないです。
私が開業している恵比寿では、同じビルに3つも美容のクリニックが入っていることもあります。しかもそのビルから50m歩けば、また別の美容クリニックという・・・
だからと言って、地方の方が美容医療をやりやすいかと言えば、そうではありません。
上述したように、そもそも患者さんの数が少ない上に、文化としてのあまり浸透していないこともあります。
そのため地方ほど、保険診療の占める割合が大きくなり、特に、皮膚科や形成外科がその対象となります。
しかし実は、これら2つの診療科は、患者一人当たりの診療報酬(保険診療)が他の科と比べて低いのです。
そのため、1日に患者さんを何人も診察しなければ経営が成り立ちません。結果的に、美容や自費診療に避ける時間がなくなっていくのです。
訪問美容ナースを目指す看護師にとって今が参入のチャンス
2024年11月現在、「訪問美容看護」というサービスは確立されていません。
周囲の知人や友人などを対象に自分のネットワークの中で細々と行っている方はいますが、ビジネスとしては成り立っていないと言えます。
そんな中、日本は高齢化社会や多様性が進み、オーダーメイド医療や精密医療(プレシジョン・メディスン)が注目されています。
また、コロナという有事が生じた結果、患者さん自身が遠隔診療や訪問診療が受け入れやすいマインドになってきました。
上述したように、地方においても美容のニーズは満たされていないので、看護師がクリニックと連携することで、看護師が主役の美容医療ビジネスのチャンスがあります。
そのため、医師と連携した訪問美容看護は、経営的に自立を希望する(独立を目指す)看護師にとって、一つの武器になると考えます。
事実、質の高い美容医療のサービスを、時間や労力を節約して自宅で受けられる点に価値を感じている患者さんはいますので。
自費診療のおける価格設定の難しさ
実際に自費の価格を設定することは難しいので、これから自費の訪問看護でメニューの価格設定をする場合は、きっと悩むことでしょう。
機器や薬剤を使った治療は、その使い方や技術力ではなく、メニューや機械の名称だけが先行して、患者さんが判断することが多いです。
もちろん、電化製品であれば、使用するのはユーザーなので、同じ機器であれば安い方がいいとなってしまいます。
しかし、医療行為はサービスを提供するのは医師や看護師の有資格者である点が決定的に違います。
価格競争に巻き込まれず、「信頼」を勝ち取って、価値訴求型のビジネスモデルを作ることができます。
自分の「肌」「顔」「健康」を預けて治療を受けるので、「安さ」だけで納得する患者はそれほど多くありません。
むしろ、「安い」だけでクリニックを選択する人は、人やクリニックが好きなのではなく、「低価格」が好きなだけですので、リピーターにつながりにくく、トラブルも多いのが現実です。
かといって、技術や質を前面に出すことで差別化して、集患できればよいのですが、それには時間や労力がかかる地道な努力が必要です。
自分たちの個性やバランス感覚で患者の信頼を勝ち取り、集患につなげていきましょう。
今後、訪問美容看護として従事したい看護師さんへ
訪問看護は患者ひとりひとりに寄り添って看護できるとても素敵でやりがいのある仕事です。
ただし、すでに都内ではレッドオーシャンで閉院も多く認めます。
そんな中、保健外看護の1つの分野である「訪問美容看護」は強みになるので、ぜひ学んでみてはいかがでしょか。
ヴィーナスアカデミー一期生を募集しています。
現在、ヴィーナスアカデミーでは一期生を募集しています。
将来の独立を考えられている看護師さん、自費・保険外サービスの導入を検討されている訪問看護ステーションは、是非オンライン説明会にご参加ください。
※第一期生の募集定員枠(12名)が埋まりつつありますので、ご興味のある方は、お早目に説明会にお申込みください。
ヴィーナス(Be nurse)アカデミーの説明会は個別にオンラインにて実施をさせていただきます。下記の「お申込みボタン」から『ご都合の良い日時』を選んでお申込みください。
※説明会は、参加無料です。
※看護師の資格をお持ちの方のみご参加いただけます。
※法人様(訪問看護ステーションの経営に携わる方)は、実際に受講される看護師さんと一緒にご参加ください。
※受講料、カリキュラム等、詳細はオンライン説明会にてご案内いたします。